スピードネット

スピードネットの歴史とサービス

スピードネットは、かつて東京電力が手掛けたインターネットサービスプロバイダで、無線アクセスとFTTHの2つの主要な接続サービスを提供していました。特に無線アクセスは、当時のインターネット接続手段として画期的でしたが、2006年5月31日にサービスが終了しました。

無線アクセスの登場背景

1999年夏の時点では、多くの家庭や中小企業では、インターネットに接続する手段として高額な電話料金が求められ、ダイヤルアップ接続の速度も遅く、普及が遅れていました。特にNTTが設けたメタルケーブル回線が独占的で、ISDNに固執するためADSLなど新たな接続方法には消極的でした。このため、東京電力、ソフトバンク、マイクロソフトは無線網を利用した定額インターネット接続サービスの実現を目指して合弁会社を設立しました。

接続方法と技術

スピードネットでは、インターネットから電柱上の基地局まで光ファイバーで接続し、そこから家庭への接続は2.4GHzの周波数ホッピングによる無線LAN（IEEE 802.11b方式）で行われていました。加入者の家には10cm四方のアンテナと受信機が設置されました。

利用料金とサービス内容

当初のサービスとして、2001年5月25日に提供された料金プランは、最大データ転送量が5GBのプランが月額4350円でした。利用者はプロバイダ料金不要で、速度は上下ともに1.5Mbpsのベストエフォート型でした。ただし、転送量を超過すると速度制限がかかることもありました。

料金プランの変化

サービス開始から数ヶ月後、プランが見直され、プランI、II、IIIといった選択肢が増えました。価格は安くなり、2001年12月には月額3350円からのプランが提供されるようになりました。また、料金の支払い方法としてクレジットカードと口座振替が選択でき、口座振替には手数料が発生しました。

サービス成果と課題

スピードネットは2000年に試験サービスを実施した後、2001年には本サービスを開始しましたが、その間にADSLの普及が進みました。東京めたりっく通信が登場するなど、競合の増加により市場は活性化し、スピードネットの遅れは重要な問題となったのです。

最終的に、2003年6月には営業を東京電力に譲渡し、清算されることが決まりました。スピードネットでの会員数は約3万人に達しましたが、新規受付は2005年3月に終了し、翌年に全サービスが終了しました。

FTTHサービスの展開

スピードネットが提供したFTTHサービスは、東京電力が展開していた「TEPCOひかり」を利用したもので、2001年9月中旬からサービスを開始しました。速度は上下ともに100Mbpsのベストエフォート型で、料金も当初から変遷し、最大データ転送量が設定されていました。FTTHについても、最終的にはTEPCOひかりの一部として継続され、2006年にはDTIに事業譲渡されることとなるなど、スピードネットの影響はその後のISP業界に残りました。

以上がスピードネットの基本的な情報とサービスについてです。特に無線アクセスは、当時のインターネット接続手段に革新をもたらした代表的なサービスと言えるでしょう。

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