TEPCOひかり

TEPCOひかりとは

TEPCOひかりは、東京電力グループが提供する光ファイバーインターネット接続サービスです。このサービスは、過去と現在で異なる形態を持っています。かつて東京電力が提供していたサービスと、東京電力エナジーパートナーとパネイルの合弁会社であるPinTが提供しているサービスについて解説します。

かつてのTEPCOひかり (2002年～2006年)

サービス概要

2002年 3月から2006年 12月にかけて、東京電力（現東京電力ホールディングス）が提供していたFTTH（光ファイバー接続）サービスです。このサービスは、電力保安通信線という電力系統の制御・保守に用いられていた専用線を起源としています。東京電力は1978年に光ファイバーケーブルを日本で初めて実用化し、電力保安通信線をメタル回線から光回線へと置き換えました。その後、子会社である東京通信ネットワーク（後のパワードコム）を通じて企業向けに通信サービスを提供していましたが、東京電力本体では一般向けサービスは行っていませんでした。

しかし、2004年10月に策定された東京電力グループの中期経営方針「経営ビジョン2010」において情報通信事業を重点的に推進することが決定され、その一環としてダークファイバ等の未使用の帯域を活用し、一般向けネットワーク事業を開始しました。これが「TEPCOひかり」として提供されたサービスです。サービス名称は、東京電力の英語略称「TEPCO」と光ファイバーサービスであることを示す「ひかり」を組み合わせて名付けられました。

サービス開始と展開

2002年 3月29日に東京都目黒区・大田区・世田谷区でサービスを開始し、その後、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、群馬県の1都4県へと提供エリアを拡大しました。サービス形態は、インターネットサービスプロバイダ（ISP）が窓口となる一括契約型でした。

回線構成と特徴

マンションタイプを除き、全ての回線は最大100Mbpsの占有型で提供され、加入者と局舎間はシングルスター方式で接続されていました。これにより、近隣利用者の利用状況に影響されず、高い品質を保つことができました。また、一部のISPでは、光ファイバーケーブルを利用した固定電話サービス（IP電話）も利用可能でした。回線構成は、利用者宅から変電所や東京電力社宅などの通信設備を経由し、東京電力の支店・支社などの中継設備、アット東京のデータセンター、プロバイダ、そしてインターネット網へと接続されていました。

提供エリアとサービス終了

理論的には東京電力の管轄地区（関東地方、山梨県、静岡県の富士川以東）全域での提供が可能でしたが、2006年時点では東京都とその周辺地区（神奈川県北東部、埼玉県南部、千葉県北西部）がほとんどで、茨城県、群馬県、山梨県での提供は限定的でした。栃木県や静岡県、東京都内でも都心郊外の青梅市などではサービスが提供されませんでした。また、周辺地区でも中心部に限られることが多くありました。

2006年 12月15日、東京電力は通信事業から撤退することを発表し、TEPCOひかり事業は2007年 1月1日からKDDIに移管され、サービス名もKDDIの提供する「ひかりone」（現：auひかり）に統一されました。その後、2009年 12月8日には、TEPCOひかりの回線サービスが2011年9月30日をもって全て終了することが発表されました。サービス終了の理由は明確ではありませんが、「同等のサービス（ひかりone）が存在し、設備の維持費などが過重にかかるため」と指摘されています。

現在のTEPCOひかり (2018年～)

サービス再開

2018年4月、東京電力エナジーパートナーとパネイルが共同出資でPinTを設立し、2018年 10月22日からNTT東日本、2020年 2月1日からNTT西日本のフレッツ光（光コラボレーション、v6プラス対応）を利用したインターネット接続サービス「TEPCOひかり」を再開しました。NTTの回線を利用することで、サービス提供エリアは日本全国に拡大し、PinTおよび東京電力エナジーパートナーの電気や都市ガスとのセット割引が提供されています。東京電力グループとしては、一般向けFTTH事業に11年ぶりに再参入することとなりました。

サービスプラン

旧サービス (ひかりoneへ移行)

TEPCOひかりホームタイプ → ひかりone ホーム100：最大100Mbps、回線占有型、同時接続数5台まで
TEPCOひかり SOHOタイプ → ひかりone SOHO：最大100Mbps、回線占有型、同時接続数20台まで
TEPCOひかりプレミアムタイプ → ひかりoneプレミアム：最大100Mbps、回線占有型、同時接続数64台まで、固定IPアドレス対応
TEPCOひかりマンションタイプ VDSLプラン → ひかりoneマンションタイプ V100：最大100Mbps、回線共有型、マンション内はVDSL方式
TEPCOひかりマンションタイプ VDSLプラン → ひかりoneマンションタイプ V57：最大57Mbps、回線共有型、マンション内はVDSL方式
TEPCOひかりマンションタイプイーサプラン → ひかりoneマンションタイプ E100：最大100Mbps、回線共有型、マンション内は有線LAN接続
TEPCOひかり [マンション]]タイプ 5GHz無線プラン → ひかりone マンションタイプ無線：最大30Mbps、回線共有型、[[無線LAN]を利用

現行サービス

TEPCOひかり：最大1Gbps
TEPCOひかりマンションタイプ：最大1Gbps（VDSL方式・LAN配線方式の場合は100Mbps）

対応プロバイダ (旧サービス)

サービス開始当初に対応していたインターネットサービスプロバイダは以下の通りです。

POINT（パワードコム） - 光プランTEPCOひかり
So-net|so-net（ソニーコミュニケーションネットワーク） - So-net|so-net光（TEPCO）
@nifty（ニフティ） - アットニフティTEPCOひかりコース
BIGLOBE（日本電気） - TEPCOひかりコース
スピードネット（東京電力） - TEPCOひかり
DION（KDDI） - DION光ファイバーTEPCOひかりコース
ASAHIネット（朝日ネット）- TEPCOひかりコース
hi-ho（ハイホーブロードバンドシステムズ） - 光-TEPCOコース
ODN（日本テレコム） - 「TEPCOひかり」コース

CM出演者

過去のCMには、以下のような著名人が出演していました。

井川遥
キングコング
志田未来
本上まなみ
本木雅弘
山田孝之
奥華子（2004年~ 作曲・歌・ピアノ）

出典

PinT –東京電力グループのPinTが提供するTEPCOひかり
ひかりone（旧TEPCOひかり）
TEPCOネット - TEPCO光ネットワークエンジニアリング株式会社。TEPCOひかり・ひかりoneの統合を機に設立され、法人名に“TEPCOひかり”が残されている。

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