スフォルツェスコ城

ミラノのスフォルツェスコ城：歴史と芸術の融合

スフォルツェスコ城（Castello Sforzesco）は、イタリアのミラノに位置する壮大な城塞です。長い歴史と数々の改修を経て、現在では美術館として多くの人々を魅了する観光名所となっています。その歴史は、14世紀にヴィスコンティ家によって築城されたことに始まります。当初は「Castello di Porta Giova」と呼ばれ、一族の居城として拡張されていきました。しかし、15世紀には一時的に破壊されるなど、激動の時代を経験しています。

1450年、ミラノ公爵となったフランチェスコ・スフォルツァは、この城を改築し、堅固な城塞として再建しました。その後も16世紀から17世紀にかけて改修・増築が繰り返され、ヨーロッパでも屈指の規模を誇る城塞へと発展を遂げます。ナポレオン1世による支配下では、城の一部が破壊されましたが、19世紀末から20世紀初頭にかけて大規模な修復工事が行われ、現在の姿へとよみがえりました。

当初は星型の広大な城郭でしたが、現在残っているのは当時の面積のほんの一部です。城の周辺は公園や道路として整備され、ミラノ市民の憩いの場となっています。城内には、現在では市立博物館「スフォルツェスコ城博物館 (Musei del Castello Sforzesco)」が設置され、多くの貴重なコレクションを収蔵しています。

博物館の見どころ

スフォルツェスコ城博物館は、複数の専門性の高い美術館から構成されています。その中には、ミケランジェロの晩年の傑作である「ロンダニーニのピエタ」を展示する「ロンダニーニのピエタ美術館 (Museo Pietà Rondanini - Michelangelo)」があります。この彫刻は、ミケランジェロの死後、未完のまま残された作品として知られています。

また、レオナルド・ダ・ヴィンチが手がけた壁画の断片も残されています。これは「アッセの間」の天井と壁に描かれたもので、残念ながら未完成のまま塗りつぶされてしまいましたが、現在も修復作業が進められています。

その他にも、城内には以下の美術館があります。

スフォルツェスコ城古代美術館 (Museo D'arte Antica)：古代美術のコレクションを展示
スフォルツェスコ城絵画館 (Pinacoteca del Castello Sforzesco)：絵画を中心とした美術品を展示
ミラノ古代エジプト博物館 (Museo Egizio di Milano)：エジプト文明に関する貴重な遺物を展示
ミラノ装飾芸術美術館 (Civiche Raccolte d'Arte Applicata di Milano)：装飾美術に関するコレクションを展示
アンティーク家具・木彫博物館 (Museo dei mobili e delle sculture lignee)：アンティーク家具や木彫作品を展示
スフォルツェスコ城楽器博物館 (Civico Museo degli Strumenti Musicali)：歴史的な楽器を展示
* トリヴルツィアーナ図書館：貴重な書籍や写本を所蔵

これらの美術館は、それぞれ専門的なコレクションを誇り、スフォルツェスコ城の歴史と芸術の深さを物語っています。城を訪れる際には、これらの美術館を巡り、イタリアの豊かな歴史と文化に触れてみてください。中世の面影を残す城壁や、近代的な美術館が調和する独特の空間は、きっと忘れられない思い出となるでしょう。

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