スプラトリー諸島海戦

スプラトリー諸島海戦

スプラトリー諸島海戦（南沙諸島海戦）は、1988年3月14日に中国とベトナムの間で発生した海戦です。この海戦は、南沙諸島（スプラトリー諸島）の領有権を巡る両国の対立が激化した結果、勃発しました。

背景

1980年代、中国とベトナムは南沙諸島（スプラトリー諸島）の領有権を巡って対立していました。南沙諸島は、戦略的に重要な位置にあり、豊富な資源が埋蔵されているとされていました。特に、ジョンソン南礁（赤瓜礁）は、両国が領有権を強く主張する場所でした。

海戦の勃発

1988年3月13日、ベトナム海軍の工兵部隊がジョンソン南礁に上陸し、測量作業を開始しました。これに対し、中国海軍の艦艇は周辺海域で監視を続け、両軍のにらみ合いが続きました。翌14日午前4時頃、ベトナム兵士が岩礁に上陸し、国旗を掲げたところ、中国艦艇からの銃撃が開始され、海戦が勃発しました。

戦闘の経過

中国軍の攻撃は一方的で、岩礁にいたベトナム兵士32人のうち、生存者はわずか3人でした。また、ベトナム艦船も攻撃を受け、輸送船2隻が沈没、揚陸艦も大破しました。揚陸艦は修理のために曳航を試みられましたが、途中で沈没しました。

戦闘の結果

この海戦で、ベトナム軍は多数の死傷者を出し、艦船にも大きな損害を受けました。また、捕虜となったベトナム兵士は広東省の収容所に収容されましたが、1991年の中国とベトナムの国交正常化時に解放され、帰国しました。一方、中国はジョンソン南礁（赤瓜礁）のほか、ファイアリー・クロス礁（永暑礁）、クアテロン礁（華陽礁）などの岩礁を占領し、後に人工島を建設しました。

海戦の影響

この海戦は、南沙諸島における中国の支配を拡大させる契機となりました。ベトナムは、この海戦で被った被害の大きさを深く記憶しており、現在でもこの事件を教訓としています。ベトナムでは、ニャチャン市郊外にある南沙諸島博物館でこの事件に関する展示が行われています。

まとめ

スプラトリー諸島海戦は、南シナ海の領有権争いを象徴する出来事であり、中国とベトナムの関係に大きな影響を与えた出来事です。この海戦は、国際社会に対しても、南シナ海の平和と安定がいかに重要であるかを改めて認識させることとなりました。

関連事項

中越[[戦争]]
西沙諸島の戦い

外部リンク

China Vs Vietnam naval battle - YouTube
南沙諸島博物館が伝える中国の非道な仕打ち - JBpress

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