スプレンディッド (原子力潜水艦)

スプレンディッド (HMS Splendid, S106) の概要

スプレンディッドは、イギリス海軍に所属する原子力潜水艦で、スウィフトシュア級に属する艦の一艦です。この艦は、同名の艦としては4代目にあたります。スプレンディッドは、原子力推進による水中での優れた航行能力を持ちながら、多くの軍事作戦に参戦してきました。

建造と就役

スプレンディッドは、ヴィッカーズ・シップビルディング・アンド・エンジニアリングにより、バーリーネスで建造されました。1979年10月5日に、艦隊総司令官ジェームズ・エバリー提督の妻であるアン・エバリーの手により進水し、1981年3月21日に正式に就役しました。就役以来、スプレンディッドは数々の国際的な紛争に参加し、イギリス軍の一翼を担ってきました。

フォークランド紛争

1982年、アルゼンチンがフォークランド諸島に侵攻すると、スプレンディッドはこの紛争に派遣されました。スプレンディッドは、フォークランドに到着した艦艇の内の1隻であり、軍事行動と情報収集の両方に貢献しました。具体的な戦果は挙げられなかったものの、アルゼンチン空軍の動きに対する偵察を行い、重要な情報を提供しました。また、スプレンディッドの存在自体が、アルゼンチン艦艇に対する抑止力となりました。

ニアミス事故と冷戦の影響

1987年1月には、ムルマンスク沖のバレンツ海で、ソ連海軍の原子力潜水艦との接触事故が発生しました。この事故では、ケーブルが切断され、曳航式ソナーを失うことになりました。事故の詳細は明らかにされていませんが、相手がソ連の潜水艦であることが特定されています。このような事件は、冷戦時代の緊張感を反映しています。

ミサイル装備と近代作戦

1990年代末になると、スプレンディッドはトマホーク巡航ミサイルを装備しました。コソボ紛争では、ベオグラードに対してミサイルを発射し、兵器の精密攻撃能力を示しました。さらに、2003年のイラク戦争においても、イラク軍目標に対する打撃の一環としてミサイルを発射しました。これらの作戦は、スプレンディッドの戦術的な役割の重要性を証明します。

結束と退役

スプレンディッドは、長い任務の後、2003年7月にスコットランドのファスレーン海軍基地に帰還し、2004年にはプリマスのデヴォンポート海軍基地で退役しました。その後、スプレンディッドの艦長であったポール・バークは、イラク戦争でのリーダーシップにより大英帝国勲章を受章し、艦の名声を高めました。

おわりに

これまでの歴史を通じて、スプレンディッドはイギリス海軍の中で特異な役割を果たしてきました。数多くの紛争や緊迫した情勢の中でその存在感を発揮し、現代の海軍作戦における重要な一翼を担っています。

もう一度検索