スペイン南部地震

スペイン南部地震（2011年ロルカ地震）

2011年5月11日18時47分（CEST）、スペインのムルシア州ロルカを震源とするマグニチュード5.1の地震が発生しました。この地震は「ロルカ地震」とも呼ばれ、その震源が浅かったため、マグニチュードの割に大きな被害をもたらしました。

地震の概要

発生日時: 2011年5月11日18時47分（CEST）
震源地: スペイン、ムルシア州ロルカの北東約2.5km
マグニチュード: 5.1（モーメントマグニチュード）
震源の深さ: 3km

地震発生前には、17時5分にマグニチュード4.5の前震が発生しています。また、本震後も余震が複数回発生し、22時37分にはマグニチュード3.9の余震が観測されました。ムルシア州はスペイン国内では比較的地震が多い地域ですが、専門家によれば、今後大規模な地震が発生する可能性は低いとされています。

地震発生のメカニズム

この地震は、ユーラシアプレートとアフリカプレートの境界に位置する地中海で発生しました。震源はアルアマ・デ・ムルシア付近の断層と推定され、この断層は長さが40〜50km程度とされています。断層に近い地表では、破壊された跡が確認されています。

被害状況

この地震による人的被害は、死者9名、負傷者167名（うち重傷者3名）と報告されています。また、建造物への被害も甚大で、ロルカ市のフランシスコ・ホダル市長によると、市内の住宅の約80%が何らかの被害を受けました。

特に深刻だったのは、文化遺産への被害です。ロルカ城をはじめとする33の文化遺産が損傷を受けました。ムルシア州政府文化委員会のペドロ・アルベルト・クルスによれば、これほどの文化遺産が被害を受けたのは、1997年のイタリア・アッシジ地震以来のことです。

スペイン地質学協会のテナ・ダビラは、地震の規模自体は予測の範囲内であったと述べています。しかし、ロルカは2000年以上の歴史を持つ古い都市であり、中世やバロック時代に建てられた耐震性の低い建築物が多かったため、被害が拡大したと考えられています。

前震と余震

本震発生前には、17時5分にマグニチュード4.5の前震が発生しました。この前震は、本震と同じ断層を震源とするものであったと報告されています。

本震後も余震が相次ぎ、6月27日1時33分までに合計134回の余震が確認されています。特に大きな余震は、5月11日22時37分に発生したマグニチュード3.9の地震でした。

まとめ

スペイン南部地震（ロルカ地震）は、マグニチュードこそ大きくなかったものの、震源の浅さと古い都市構造が重なり、甚大な被害をもたらしました。この地震は、地震のリスクと、歴史的建造物の保全の重要性を改めて認識させる出来事となりました。

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