スペースシャトル・アトランティス

スペースシャトル・アトランティス（OV-104）は、NASAのスペースシャトル計画において、5隻建造されたオービター（往還機）の一つです。1985年10月3日に初飛行（STS-51-J）を行い、2011年7月8日から21日のSTS-135が最終飛行となりました。この最終飛行は、スペースシャトル計画全体の最後のミッションでもありました。

アトランティスという名前は、1931年から1964年までウッズホール海洋研究所で使用されていた調査船に由来します。アトランティスは、他のオービターと比較して、いくつかの改良が施されています。特に、初期に建造されたコロンビアに比べて約3トン軽量化され、建造期間も短縮されています。

アトランティスは、国際宇宙ステーション（ISS）の建設や物資輸送など、数多くの重要なミッションを遂行しました。また、1995年には、ロシアの宇宙ステーション「ミール」の修理のために、米露の宇宙船が1975年以来初めてドッキングするという歴史的な出来事にも立ち会いました。しかし、チャレンジャーと同様に、日本人宇宙飛行士が搭乗することなく退役しました。

退役後、アトランティスは一時的にケネディ宇宙センターの組立棟に保管されていましたが、2012年11月に展示施設へと輸送され、2013年7月からは一般公開されています。現在、多くの人々がアトランティスの実機を見学し、その歴史と功績を間近に感じることができます。

スペースシャトル・オービターについて

スペースシャトル計画では、以下のオービターが建造されました。

エンタープライズ（Enterprise）：実験機であり、宇宙飛行能力はありません。
コロンビア（Columbia）：1981年4月12日に初飛行しましたが、2003年2月1日に大気圏再突入中に空中分解事故を起こし、失われました。
チャレンジャー（Challenger）：1983年4月4日に初飛行しましたが、1986年1月28日に打ち上げ直後に爆発事故を起こし、失われました。
ディスカバリー（Discovery）：1984年8月30日に初飛行しました。
エンデバー（Endeavour）：1992年5月7日に初飛行しました。チャレンジャーの代替機として建造されました。
パスファインダー（Pathfinder）：実機ではなく模型ですが、オービターとしてカウントされることがあります。

アトランティスが登場するフィクション作品

アトランティスは、映画やドラマなどのフィクション作品にも登場しています。

映画「スペースキャンプ」：テスト中の事故により、少年少女たちが搭乗したまま宇宙に打ち上げられてしまうという設定で、アトランティスの打ち上げ時の映像が使用されています。
映画「アルマゲドン」：冒頭で流星群の被害を受けて爆発したシャトルとして登場します。

参考情報

ウィキニュース: 「アトランティス」が打ち上げ成功、スペースシャトル最後の打ち上げ
NASA - Space Shuttle Overview: Atlantis (OV-104)
04/16/07: Consolidated Launch Manifest: Space Shuttle Flights and ISS Assembly Sequence
Space Shuttle Atlantis: Last Flight - slideshow by Life magazine
Atlantis photo essay From Boston.com
Atlantis over the Canary Islands during STS-132, in GoogleEarth image overlay

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