スペースX CRS-12

スペースX CRS-12（SpX-12）

スペースX CRS-12は、「SpX-12」とも呼ばれる国際宇宙ステーション（ISS）への重要な商業補給サービスミッションです。これは、アメリカ航空宇宙局（NASA）が進める商業補給サービス計画に基づき、スペースX社が実施した一連の補給契約における最初の12回のミッションの最終便にあたります。当初は2016年12月の打ち上げが予定されていましたが、複数の遅延を経て、最終的に2017年8月に実施されました。

このミッションでは、スペースXが新たに開発した改良型のドラゴン宇宙船が使用されました。打ち上げは、2017年8月14日16時31分37秒（協定世界時UTC）に、フロリダ州のケネディ宇宙センターにある第39A発射台から、主力ロケットであるファルコン9によって行われました。特筆すべき点として、ファルコン9ロケットの第1段機体は、打ち上げ後にケープカナベラル宇宙軍基地内の着陸地点1（LZ-1）へ向けて誘導され、制御された状態での地上への帰還・着陸に成功しています。

ドラゴン宇宙船は、打ち上げから約2日後の2017年8月16日、ISSへとランデヴーしました。午前10時52分（UTC）には、ISSのロボットアームであるカナダアーム2によって捕捉され、その後、午後1時07分（UTC）にはISSのハーモニー・モジュールへ無事係留されました。

ISSには約1ヶ月間滞在し、輸送した物資を station へ届け、また地球へ持ち帰る貨物を積み込みました。2017年9月16日の遅い時間帯にISSからの係留を解かれ、翌9月17日の午前8時40分（UTC）にカナダアーム2からリリースされました。ISSの近傍を離れるための噴射を行った後、ドラゴン宇宙船は地球への大気圏再突入に向けた軌道離脱噴射を実施しました。最終的に、同日14時14分（UTC）に太平洋上へ無事着水し、ミッションを完了しました。

CRS-12ミッションでは、総計2,910キログラムにも及ぶ貨物がISSへ輸送されました。これは、NASAとの契約に基づき、スペースXが決定した主要貨物や軌道パラメータに従ったものです。貨物の内訳は以下の通りです。

• - 与圧貨物 (ISS内部向け): 1,652 kg

- 科学研究関連機器・実験材料: 916 kg
- 乗組員の生活用品・補給品: 220 kg
- 宇宙船のハードウェア: 339 kg
- 船外活動に必要な装備: 30 kg
- コンピューター関連資材: 53 kg

• - 非与圧貨物 (ISS外部向け): 1,258 kg

- 宇宙線エネルギーおよび質量実験機器 (CREAM)

特に外部貨物として輸送された宇宙線エネルギーおよび質量実験機器（CREAM）は、宇宙線を観測するための重要な装置でした。地球への帰還時には、ISSで行われた各種実験の結果サンプルや不要となった機材など、約1,700キログラムの貨物を地球へ持ち帰りました。

スペースX CRS-12ミッションは、ISSの継続的な運用を支える商業補給サービスの役割を果たすとともに、ファルコン9第1段の地上帰還成功や改良型ドラゴンカプセルの運用を示すものでした。

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