スライト・リターン/ザ・ファウンテンヘッド

ブルートーンズの初期を語る上で欠かせない作品が、自主制作で発表された7インチシングル『スライト・リターン/ザ・ファウンテンヘッド』です。

自主制作からメジャーへの架け橋

2000枚限定で制作された本作は、メール・オーダーやライブ会場での販売という限られた販路にも関わらず、瞬く間に完売しました。この成功が、バンドがレコード会社と契約を結ぶ大きなきっかけになったと言われています。自主制作ながらも、そのクオリティの高さと独自性が、音楽業界の目に留まった証でしょう。

幻の日本向けシングル

さらに、このシングルには日本向けのバージョンも存在します。これは、当時の日本の音楽ファンにとって、非常に貴重なアイテムだったと考えられます。

収録内容

A面: スライト・リターン / Slight Return
B面: ファウンテンヘッド / The Fountainhead

アルバムバージョンとの違い

表題曲である「スライト・リターン」は、後に1stアルバム『エクスペクティング・トゥ・フライ』にも収録されています。しかし、シングルバージョンとアルバムバージョンは異なっており、それぞれに独自の魅力があります。どちらのバージョンも、後にコンピレーションアルバム『ジ・アーリー・ガレージ・イヤーズ』に収録されました。

音楽史における意義

『スライト・リターン/ザ・ファウンテンヘッド』は、ブルートーンズの初期衝動と音楽的才能が凝縮された作品であり、彼らの音楽史における重要な位置を占めています。自主制作という形でリリースされたにも関わらず、そのクオリティの高さで注目を集め、メジャーデビューへの道を切り開いた事実は、多くのインディーズバンドに勇気を与えたことでしょう。また、このシングルに収録された楽曲は、後のブルートーンズの音楽性を方向づける上で、重要な役割を果たしたと考えられます。

このシングルは、ブルートーンズのファンだけでなく、UKロックの歴史に興味を持つ音楽ファンにとっても、必聴のアイテムと言えるでしょう。彼らの初期のエネルギーと創造性を体感できる、貴重な一枚です。

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