スリップ・オン・スルー

「スリップ・オン・スルー」（Slip On Through）は、アメリカのロックバンド、The Beach Boysのドラマー、デニス・ウィルソンによって作詞作曲された楽曲です。1970年に発表されたアルバム『Sunflower』の1曲目に収録されており、アルバムの幕開けを飾る重要なナンバーとして位置づけられています。

B面には「This Whole World」を収録したシングルとしてもリリースされましたが、残念ながらアメリカやイギリスの音楽チャートにランクインすることはありませんでした。しかし、その音楽的な魅力は色褪せることなく、今日に至るまで多くのファンに愛され続けています。

楽曲の制作背景

「スリップ・オン・スルー」の初期バージョンは、一度完成したものの廃棄され、その後、別のバージョンが新たに制作されました。初期バージョンは、ロサンゼルスの有名なレコーディングスタジオ、ゴールドスター・スタジオ・ハリウッドで録音されました。一方、最終的にアルバムに収録されたバージョンは、ブライアン・ウィルソンの自宅スタジオで録音されています。この変更の理由は公式には明らかにされていませんが、より完成度の高い作品を目指した結果であると考えられます。

参加メンバー

この楽曲には、The Beach Boysのメンバーが多数参加しています。

リードボーカル、ギター：デニス・ウィルソン
ボーカル：アル・ジャーディン、マイク・ラブ、カール・ウィルソン、ブルース・ジョンストン、ブライアン・ウィルソン

上記メンバーに加え、以下のミュージシャンと制作スタッフが楽曲制作に貢献しています。

ドラム：デニス・ドラゴン
ギター：ジャック・コンラッド
* エンジニア：スティーブン・デスパー

楽曲の特徴

「スリップ・オン・スルー」は、デニス・ウィルソンの独特な音楽性が色濃く反映された楽曲であり、The Beach Boysの他の楽曲とは一線を画す魅力を持っています。力強いドラムとギターのサウンド、そしてメンバーのコーラスワークが印象的で、聴く人を高揚させるようなエネルギーに満ち溢れています。

チャートインこそ逃したものの、「スリップ・オン・スルー」はThe Beach Boysの音楽史において、重要な位置を占める楽曲の一つと言えるでしょう。アルバム『Sunflower』を聴く際には、ぜひ注目していただきたい一曲です。

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