スリー・ブラインド・マイス

スリー・ブラインド・マイス（Three Blind Mice）

スリー・ブラインド・マイス（Three Blind Mice、略称: TBM）は、1970年6月に藤井武、佐賀和光、魚津佳也の3人によって設立された日本のジャズ専門レーベルです。日本の新進気鋭の演奏家たちを世に送り出すことを目指し、数々の名盤をリリースしました。

レーベルの歩み

1970年の設立以来、TBMはおよそ130枚のアルバムをリリースしました。プロデューサーは社長の藤井武氏、ジャケットデザインは西沢勉氏、録音は神成芳彦氏がほぼ担当し、オーディオ愛好家からも評価される高品質なサウンドが特徴でした。TBMの作品群は、スイングジャーナル社主催のジャズディスク大賞を5回も受賞しています。

新作のリリースは1970年代に集中しており、1974年、1975年、1976年には紀尾井町の都市センターホールで「5 Days In Jazz」というイベントを開催し、その模様は実況録音盤として記録されています。TBMの作品群は、日本のジャズの発展期の躍動感を捉えた貴重な記録としても評価されています。

鈴木勲、山本剛、中本マリ、福村博、土岐英史、植松孝夫、中村照夫、大友義雄、水橋孝など、多くのミュージシャンがTBMで初のリーダーアルバムを録音しました。その他にも、ジョージ川口、日野皓正、今田勝などがこのレーベルからレコードをリリースしており、宮間利之とニュー・ハード、高橋達也と東京ユニオンといったビッグバンドの作品も制作しています。

LPからCDへとメディアが移行する1980年代以降、TBMの新作リリースは散発的になりました。そして、2014年12月24日、TBMレコードは東京地方裁判所において破産手続きの開始決定を受けました。

その後

2006年から2007年にかけて、TBMの23作品がSONY MUSICからSACD Hybridとして再発売されました。また、2013年から2014年にかけては、ディスクユニオンのTHINK! RECORDSから69作品が10回に分けて再発売されています。

主なディスコグラフィー

TBM-1 峰厚介 Quintet - Mine (LP) 1970
TBM-2 今田勝 Quartet - NOW! (LP) 1970
TBM-3 植松孝夫 Quartet/Quintet - Debut (LP) 1970
TBM-15 鈴木勲 Trio/Quartet - Blow Up (LP) 1973
TBM-23 山本剛 Trio - Midnight Sugar (LP) 1974
TBM-30 山本剛 Trio - Misty (LP) 1974
TBM-46 土岐英史 Quartet - Toki (LP) 1975

（上記はほんの一部です。詳細はDiscogsなどを参照ください）

参考文献

Minor, William. Jazz Journeys to Japan. University of Michigan Press, 2004.
Gerard, Charley. Jazz in Black and White. University of Michigan Press 1998.

関連情報

スリー・ブラインド・マイス - HMV ONLINE
SONY MUSIC
THINK! RECORDS
* スリー・ブラインド・マイスのディスコグラフィ - Discogs

スリー・ブラインド・マイスは、日本のジャズ史に名を刻む重要なレーベルであり、その音楽は今も多くのファンに愛され続けています。

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