スルプスカ共和国軍

スルプスカ共和国軍（VRS）とは

スルプスカ共和国軍（セルビア語: Војска Републике Српске / Vojska Republike Srpske; VRS）は、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中に存在したセルビア人主体の軍隊です。紛争終結後、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦軍との統合が進められ、2006年に完全に統合され、ボスニア・ヘルツェゴビナ軍となりました。

歴史

1992年5月12日、ユーゴスラビア人民軍（JNA）の撤退に伴い、スルプスカ共和国軍が創設されました。これは、ボスニア・ヘルツェゴビナからの分離を目指すセルビア人の利益を代表する軍隊として設立されました。紛争中には約8万人の兵士を擁していました。

兵士の多くはボスニア・ヘルツェゴビナ領内で集められたセルビア人でしたが、準軍事組織、セルビアやロシアからの義勇兵、民兵組織も参加していました。これらの部隊は、スレブレニツァの虐殺をはじめとする戦争犯罪に関与したとされています。

少数ながらボシュニャク人の兵士も所属していました。

国際司法裁判所（ICJ）は、スルプスカ共和国軍がボシュニャク人やクロアチア人に対する戦争犯罪に関与したと裁定しました。紛争中の参謀総長であったラトコ・ムラディッチは、旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷によってジェノサイドなどの罪で訴追され、2011年にセルビアで拘束されました。

軍事作戦

スルプスカ共和国軍は、以下の軍事作戦に参加しました。

Operacija Koridor
Operacija Breza
Operacija Mac 1
Operacija Mac 2
Operation Miracle
Operacija Krivaja 95
Operacija Stupcanica 95
Sadejstvo 93
Operacija Vrbas 92

特別部隊

スルプスカ共和国軍には、以下のような特別部隊が存在しました。

Специјална Јединица "МАНДО" - 特殊部隊 "MANDO"
Гарда Пантери - 防衛隊 "PANTERI"
Бели Вукови - 白い狼
Шкорпиони - サソリ
Специјална Јединица "ПEШA" - 特殊部隊 "PESA"
* Дрински Корпус - ドリナ軍団

組織

スルプスカ共和国軍は、複数の軍団や独立部隊によって構成されていました。各部隊は、特定の地域や任務を担当していました。

装備

スルプスカ共和国軍は、ユーゴスラビア人民軍から引き継いだ装備や、独自の調達によって様々な兵器を保有していました。これには、戦車、装甲車、火砲、歩兵用兵器などが含まれます。

ボスニア・ヘルツェゴビナ軍への統合

2003年以降、スルプスカ共和国軍はボスニア・ヘルツェゴビナ連邦軍との統合が進められました。2006年6月6日、正式にボスニア・ヘルツェゴビナ軍に統合され、ボスニア・ヘルツェゴビナ中央政府国防省の指揮下に入りました。これにより、ボスニア・ヘルツェゴビナの統一された軍事力が確立されました。

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