スレドネコリムスク時間

スレドネコリムスク時間 (SRET) について

スレドネコリムスク時間（Srednekolymsk Time, SRET）は、協定世界時（UTC）より11時間進んだUTC+11を標準時としていた時間帯です。ロシア国内では「第10標準時」とも呼ばれていました。この時間帯は、2014年に新設されましたが、2016年に廃止され、比較的短い期間のみ使用されました。

歴史

2010年、ロシア政府は時間帯の統合政策を実施し、スレドネコリムスク時間となる地域はマガダン時間（UTC+12）に統合されました。この時、マガダン州、サハ共和国東部、カムチャツカ地方、チュクチ自治管区、千島列島（計吐夷島以北）がマガダン時間に属していました。

しかし、2014年にロシアは標準時を冬時間に戻す法案を施行し、10月26日に時間帯が大幅に見直されました。この際、マガダン時間は廃止され、該当地域は以下の3つに分割されました。

1. マガダン州: ウラジオストク時間（UTC+10）に移行。
2. カムチャツカ地方とチュクチ自治管区: 廃止されていたカムチャツカ時間（UTC+12）が復活し、移行。
3. サハ共和国東部と千島列島（計吐夷島以北）: 新設されたスレドネコリムスク時間（UTC+11）に移行。

このように、スレドネコリムスク時間は、2014年の時間帯改正によって唯一新設された時間帯でした。スレドネコリムスクという名称は、この時間帯に含まれていたサハ共和国東部の町の名前が由来です。

2016年3月27日、ロシア国内の一部の地域で標準時変更が行われ、サハリン州全域がウラジオストク時間からスレドネコリムスク時間に移行しました。以前は千島列島の計吐夷島以北のみがこの時間帯に含まれていました。

しかし、同年4月24日、マガダン州でマガダン時間が復活したことに伴い、スレドネコリムスク時間はマガダン時間に統合され、廃止されました。

スレドネコリムスク時間に含まれていた地域

スレドネコリムスク時間は、以下の地域で採用されていました。

サハ共和国
アビイ管区
アルライホフスク管区
モムスク管区
ニシュネコリムスク管区
スレドネコリムスク管区
ヴェルフネコリムスク管区
サハリン州（2016年3月27日から2016年4月24日まで）

その他

この時間帯は、サハリン州が一時的にこの時間帯に含まれていたことから、「サハリン時間」とも呼ばれることがありました。しかし、その期間はわずか1ヶ月弱と短く、2016年4月24日に廃止されています。

スレドネコリムスク時間は、ロシアの時間帯政策の変遷の中で、一時的に存在した特殊な時間帯と言えるでしょう。その短い歴史は、ロシアの標準時に関する複雑な事情を物語っています。

関連項目

* ロシア時間

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