スーパーディスク

スーパーディスク

スーパーディスクは、松下寿電子工業（現PHCホールディングス）とイメーションが共同開発したリムーバブル磁気ディスクメディアです。1996年に発売され、フロッピーディスク（FD）に代わる大容量ストレージとして期待されました。当初は「LS-120」という名称でしたが、1997年に「スーパーディスク」へ改称されました。

概要

スーパーディスクは、磁気ディスクの表面に微細な溝（グルーブ）を形成し、レーザー光によるトラッキング制御でトラック密度を大幅に向上させました。また、メタル磁性体の採用とゾーンビット記録方式により、線記録密度も高め、大容量化を実現しました。当初の記憶容量は120MBでしたが、2000年には240MB対応のドライブとディスクが登場しました。

ディスクの形状は3.5インチFDと同じですが、ドライブにはスーパーディスク用とFD用のデュアルギャップヘッドが搭載されています。これにより、両方のディスクの読み書きが可能な後方互換性を持ち、3.5インチMOやZipといった競合製品に対して優位性がありました。240MB対応ドライブでは120MBディスクも利用可能です。

さらに、スーパーディスクドライブはブートドライブとして利用でき、FDやスーパーディスクから起動することも可能でした（ただし、PC側のBIOS対応が必要）。

しかし、データの大容量化とCD-R/RW、DVD-R/RAM/RWなどの光ディスクの普及により、スーパーディスクは次第に廃れていきました。現在ではハードウェア、メディアともに、入手が困難な状況となっています。

FD32MB

240MB対応のスーパーディスクドライブには、「FD32MB」という機能が搭載されています。これは、通常の3.5インチ2HD FDに特殊なフォーマットを施すことで、容量を32MBまで増加させる技術です。

FD32MBフォーマットは、以下の独自技術によって実現しています。

重ね書きによるトラック密度の向上: 2HDディスク用磁気ヘッドをずらしながら書き込み、スーパーディスク用磁気ヘッドで読み出すことで、トラック数を大幅に増加（片面80本から777本へ）。
ZBR（ゾーンビット記録）による線記録密度の向上: トラックごとの記録密度を一定に保ち、線記録密度を約1.4倍に向上。
PRML（Partial Response Maximum Likelihood）による線記録密度の向上: HDDで用いられる技術を応用し、線記録密度を約2倍に向上。
C1ECC（エラー訂正）技術: データ信頼性を向上。

これらの技術により、2HD FDへの32MB記録を可能にしました。

ただし、FD32MBは追記専用であり、データの書き直しには再フォーマットが必要です。このフォーマットを施したFDは、通常のドライブでは読み書きできず、警告文ファイルが表示されます。Windows環境では、通常のドライブで再利用するためには通常フォーマットが必要で、クイックフォーマットは推奨されていません。Macでは、「標準のフォーマッターでは、このディスクを1.44MBとして再フォーマットできません。」と表示されます。

関連項目

フロッピーディスク
フロプティカルディスク

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