磁気ディスク

磁気ディスク

磁気ディスクは、磁性体を塗布した円盤を回転させることでデータの記録を行う記録媒体です。ここでは、ハードディスクドライブ（HDD）だけでなく、フロッピーディスクのような着脱可能な磁気ディスクについても解説します。

概要

磁気ディスクは、磁気を帯びる性質を持つ微小な金属粒子（磁性体）を円盤状の基板に塗布または蒸着し、磁性層を形成します。この磁性層に対して、電磁石から発生する磁束を用いて磁化することで情報を記録します。情報の読み書きを行う部品は磁気ヘッドと呼ばれます。磁気ディスクの基材表面は、磁性層の下層に下地材や中間材、上層には保護層などが設けられた多層構造となっています。高密度記録を実現するためには、磁気ヘッドと磁気ディスク間の適切な間隔を維持することが重要であり、ディスク表面の平滑性や、ねじれ・反りのない状態が求められます。

磁気ディスクには、フォーマットによってセクタを区切り、ランダムアクセスを可能にする方式が一般的です。しかし、クイックディスクのようにシーケンシャルアクセス方式を採用したものも存在しました。初期のデジタルカメラでは、磁気ディスクにアナログ記録を行うものもありましたが、現在では全てデジタル記録方式に移行しています。

欠点と脆弱性

磁気ディスクは、磁気、埃や汚れ、振動や衝撃に弱いという特性があります。

磁気の影響

情報の記録に磁気を利用しているため、外部から強い磁場を受けると、ディスク内の磁界が変化し、記録された情報が破壊される可能性があります。ただし、日常で使用する程度の磁場であれば、磁気ディスクに密着させない限り、影響は少ないと考えられます。

物理的な脆弱性

ディスク表面に傷がつくと、磁性体が剥離したり磁性が変化したりする可能性があります。そのため、埃や汚れの付着、振動や衝撃には注意が必要です。埃や汚れが記録面に付着すると、磁気ヘッドが正常な高度を維持できなくなり、読み書きエラーが発生したり、ヘッドのバウンドによって記録面が傷つけられ、広範囲にわたって読み書き不能になることがあります。

ハードディスクドライブのように磁気ヘッドがディスクに接触しない構造であっても、読み書き動作中や停止中、保管中に振動が加わると、磁気ヘッドが記録面に接触（ヘッドクラッシュ）し、部分的に読み書き不能になったり、磁気ディスクが変形して全ての記録情報が読み出せなくなることがあります。

構造上の欠点

磁気ディスクは、ディスクを機械的に回転させる構造上、読み込みにおいて信頼性が低く、時間がかかるという欠点があります。

種類と規格

内蔵型

ハードディスクドライブ (HDD)
磁気ディスク装置

着脱型

フロッピーディスク
EZ135
ベルヌーイディスク
ZIP
EzFlyer
スーパーディスク
モバイルディスク
マイクロドライブ
クイックディスク
ORB
Jaz
REV
iVDR

光磁気ディスク

光磁気ディスクは、磁気ディスクと似た記録媒体ですが、記録の読み書きに磁気だけでなくレーザー光による加熱を利用する点が異なります。

関連項目

磁気ドラムメモリ
磁気テープ
巨大磁気抵抗効果 - 磁気記録の高密度化に貢献している基礎技術

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