スーパーヘヴィ

2011年、音楽史に新たな1ページを刻むスーパーグループが誕生しました。その名もスーパーヘヴィ（SuperHeavy）。ローリング・ストーンズのフロントマン、ミック・ジャガー、元ユーリズミックスのデイヴ・ステュアート、実力派シンガーのジョス・ストーン、レゲエ界のスター、ダミアン・マーリー、そしてインドを代表する作曲家A・R・ラフマーンという、異色の5人によって結成されたこのグループは、それぞれの持ち味が融合した唯一無二のサウンドで世界を魅了しました。

バンド結成のきっかけは、デイヴ・ステュアートがジャマイカの自宅にミック・ジャガーを招いたことから始まります。リラックスした雰囲気の中、音楽談義に花を咲かせた2人は、新たな音楽プロジェクトを立ち上げるというアイデアにたどり着きました。その後、18ヶ月にも及ぶ秘密裏のレコーディング作業を経て、ついにデビューを果たします。

実はミックとデイヴは、以前から映画『殺したい女』の主題歌やミックのソロアルバム、映画『アルフィー』のサントラなどでコラボレーションしており、親交がありました。さらに、デイヴがジョス・ストーンのアルバム『LP1』をプロデュースしたことが、このプロジェクトへの参加へと繋がったのです。

ジャマイカのミュージシャンとのコラボレーションも視野に入れていた2人は、ダミアン・マーリーに白羽の矢を立てました。そして、ダミアンのリズム隊であるベーシストのシア・クーアとドラマーのコートニー・ダイドリックも参加することに。さらに、インドの作曲家で『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞を受賞したA・R・ラフマーンも、ロサンゼルスでのレコーディング中に偶然知り合ったことをきっかけに、このプロジェクトに参加することとなったのです。

当初、全く異なるジャンルのミュージシャンが集まったこのバンドが、一体どのような音楽を生み出すのか、ミック自身も半信半疑だったと言われています。「まとまるわけがない」と思っていたそうです。しかし、蓋を開けてみれば、彼らの音楽性は予想をはるかに超えるものとなりました。

バンド名の由来は、ダミアン・マーリーが「ヘヴィ、ヘヴィ、ヘヴィ、スーパーヘヴィ」と口ずさんだフレーズがきっかけです。デイヴ・ステュアートはその響きの良さに魅了され、バンド名に採用。さらに、ボクシング界のレジェンド、モハメド・アリを意識したネーミングでもあるとのことです。

2011年9月、ついにアルバム『スーパーヘヴィ』でデビュー。ミックとデイヴがプロデュースを手掛けたこのアルバムは、フランス、キプロス、マイアミ、インドなど、世界各地でレコーディングされました。しかし、トラックの大半はロサンゼルスでわずか3週間でレコーディングされたもので、5人は最初の6日間でなんと22曲もの楽曲を生み出したのです。

異なる国籍、異なる音楽的バックグラウンドを持つ5人が織りなす音楽は、まさに奇跡と呼ぶにふさわしいでしょう。それぞれの個性が際立ちながらも、見事に融合したサウンドは、リスナーに多様な音楽体験を提供します。スーパーヘヴィの音楽は、ジャンルにとらわれない自由な発想と、高い演奏技術、そしてそれぞれのメンバーの個性と情熱が凝縮された、まさに珠玉の作品と言えるでしょう。彼らの音楽は、これからも世界中の人々に感動を与え続けることでしょう。

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