スーパーCCDハニカム

スーパーCCDハニカムとは

スーパーCCDハニカムは、富士フイルムが独自に開発したCCDイメージセンサの製品名であり、特にその八角形のハニカム構造が際立っています。このセンサは同社の登録商標でもあり、高感度な撮影性能が求められるデジタルカメラや携帯電話に幅広く採用されています。

開発の歴史

スーパーCCDハニカムは1999年10月にその開発が発表され、2000年4月には初代モデルが富士フイルムのデジタルカメラ「FinePix4700Z」に搭載され、市場に登場しました。このセンサは翌年以降も進化を続け、2001年から2006年にかけて第2世代から第6世代までのモデルが順次リリースされました。

第4世代からはHR系とSR系という2つのラインが導入され、2007年にはそれぞれ第7世代に進化し、2008年には10周年を祝う形で第8世代がリリースされました。特に、スーパーCCDハニカムEXR技術は2009年2月に登場した「FinePix F200EXR」に搭載され、その後のモデルでも採用されました。2010年には位相差画素を盛り込んだ新モデル「FinePix F300EXR」と「FinePix Z800EXR」が発売され、オートフォーカスの高速化を実現しています。

一方、2002年には携帯電話向けに開発されたスーパーCCDハニカムも登場し、初めて三菱電機が開発した機種「D251i」に搭載されました。以降、2003年の「D505i」、2005年の「D901i」など、様々なモデルに搭載されることとなりますが、903iシリーズではCMOSイメージセンサが主流になり、スーパーCCDハニカムの採用例は見られなくなりました。

技術的特徴

スーパーCCDハニカムは、そのCCDセンサを八角形状に設計し、45度傾けて配置することで集光面積を拡大しています。この独自のアプローチにより、高感度かつ低ノイズで高ダイナミックレンジを持つ画像の取得が可能になります。また、仮想的に有効画素ピッチを短縮する技術を用いることで、理論上は通常のCCDと比べて2倍の有効画素数を得ることができるため、特に解像度の要求が高い場面で力を発揮します。

ただし、同じ有効画素数であれば実効画素数を低く設定できるため、CCDの動作電力を抑えることも可能ですが、この技術の過程でのデータ処理の複雑化が逆に電力消費を増す原因となることもあります。

製品への応用

スーパーCCDハニカムは、富士フイルム製品において高性能の象徴として位置付けられています。医療機器においてもその応用が模索され、様々な分野での活躍が期待されています。しかし、携帯電話市場においては、903iシリーズからはCMOSセンサに移行したため、これまでのスーパーCCDハニカムを搭載した機種は限られてしまいました。

富士フイルムはこの技術を通じて、量産と最適化を追求し続けており、今後のさらなるシリーズの展開も期待されます。

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