スーパーFJ(スーパーエフジェイ)
スーパーFJは、
2007年から開始された日本の
フォーミュラカーレースのカテゴリーであり、旧
FJ1600の後継として位置づけられています。
ジュニア・フォーミュラに属し、若手ドライバーの育成を目指す新しい舞台となっています。
1. 成り立ち
FJ1600は
1980年から初級者向けの
フォーミュラカーとして人気を博しましたが、
エンジン供給の問題が顕在化するにつれて、新たなカテゴリーが必要とされました。特に、スバル製EA71型
エンジンの供給が難しくなり、レース用
エンジンの確保が困難になりました。そこで、
日本自動車連盟(JAF)が新たに設置したカテゴリーがスーパーFJであり、この変化により、若手ドライバーがより多様な経験を積むことが可能になりました。
2007年から
2009年までの3年間は、
FJ1600とスーパーFJが並行してJAF地方選手権として開催されました。しかし、
2010年以降、
FJ1600は廃止されスーパーFJに一本化されました。その背景には、
エンジンの供給不足や、エントラント側の移行への抵抗感があったものの、
エンジン供給の問題が解決されない限りスーパーFJへの移行は避けられないという認識が広まりました。結果として、2013年には、ほとんどのエントラントがスーパーFJへと移行完了しました。
旧
FJ1600ではコスト削減のため前後ウィングが廃止されていましたが、スーパーFJではウィングの導入が行われました。これにより、ドライバーはウィング付きフォーミュラの特性を早期に習得し、上位カテゴリーへのステップアップがスムーズになります。また、スーパーFJの
エンジンとしてホンダ・L15A型を採用しており、排気量は1,500ccで従来のEA71
エンジンよりもパワーが向上しており、実際の出力は100~120馬力に達します。
3. シリーズ概要
スーパーFJは、
2007年にツインリンクもてぎ、
筑波サーキット、
鈴鹿サーキット、
岡山国際サーキットでの地方選手権シリーズとしてスタートしました。鈴鹿ではスーパーFJ単独のレースが初めて行われ、ここでもスーパーFJ勢が好成績を収めました。この結果は、スーパーFJの性能が
FJ1600を上回っていることを物語っています。
2009年以降は、シリーズに
富士スピードウェイなどのサーキットが加わり、複数のシリーズイベントが展開されました。2022年現在、もてぎ、富士、鈴鹿、
オートポリスで地方選手権が行われており、「ジャパンチャレンジ」や年末恒例の「日本一決定戦」といったイベントもあります。
4. スーパーFJの仕様
スーパーFJは以下の仕様で統一されています:
- - エンジン: 直列4気筒 SOHC 1,500cc(ホンダ L15A)
- - パワー: 約120PS(2017年以降は改造禁止)
- - ミッション: Hパターン 5速ドグミッション
- - フレーム: 鋼管スペースフレーム
- - 前後ウイング: 統一されたウィングを装着
- - タイヤ: ダンロップまたはADAVAN(ワンメイク)
5. 車両一覧
いくつかのコンストラクターによって製造された車両には様々なモデルがあります。
- - WEST11J: ウエストレーシングカーズ製、全長3,810mm、重量425kg
- - R&D RD10V: 東京R&D レース事業部製、全長3,836mm、重量422kg
- - MYST KK-S: 自動車工房MYST製、全長3,624mm、重量428kg
これらの規格や車両により、スーパーFJは若手ドライバーにとって、より実践的な環境を提供し、未来のレース界を担うスターたちの育成に寄与しています。