セアカモズ

セアカモズ（背赤百舌）

セアカモズ（学名：Lanius collurio）は、スズメ目モズ科に分類される鳥類の一種です。ユーラシア大陸に広く分布し、日本では珍しい迷鳥として知られています。

分布

セアカモズは、アジア中部から東部、ロシア、トルコ、ヨーロッパにかけて繁殖します。冬はアフリカ南部で越冬します。
日本では、迷鳥として舳倉島、与那国島、香川県まんのう町などで記録されています。観察例は非常に少ないです。

形態

全長は約17cmです。オスとメスで羽の色が異なります。

オス: 頭から後頸にかけては青灰色、背中や肩羽は淡い赤褐色をしています。この背中の色が和名の由来となっています。体の下面は白っぽいですが、一部に桃色がかかっている部分もあります。目の周りには黒い線（通眼線）があります。
メス: オスに比べて、体の上面が褐色味を帯びています。

生態

平地から山林の明るい林、果樹園、公園などに生息します。

巣作り

コケや植物の茎、草の葉などを使って、雑木林や茂みの中に巣を作ります。巣作りは主にオスが行います。

繁殖

1腹あたり5〜6個の卵を産みます。抱卵期間は14〜16日です。

亜種

主な亜種として、以下の2種が知られています。

L. c. pallidifrons: アジアからロシアなどで繁殖します。日本で確認されているのは、この亜種であると考えられています。
L. c. collurio: ヨーロッパで繁殖します。体の上面の赤褐色がより鮮やかです。

その他

セアカモズは、日本では観察機会が少ない鳥ですが、ユーラシア大陸では比較的普通に見られる鳥です。もし日本で見かけたら、記録に残る貴重な発見となるでしょう。

参考文献

真木広造他　『日本の野鳥590』　平凡社
マイケル・ウォルターズ著、山岸哲監修、『世界「鳥の卵」図鑑』、新樹社、2006年、169頁

関連項目

日本の野鳥一覧
モズ属
* 迷鳥

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