セイバータイガー

セイバータイガー：『ゾイド』シリーズを彩る高速戦闘ゾイド

セイバータイガーは、玩具メーカーのトミー（現タカラトミー）が展開する『ゾイド』シリーズに登場する架空の兵器です。特に、ゾイド第1期シリーズ（メカ生体ゾイド）時に発売されたサーベルタイガーおよび各種派生機は、その人気を不動のものとしました。

概要

『ゾイド』シリーズにおいて、セイバータイガーは第1期（1983～1990年）に「サーベルタイガー」として初登場しました。その後、第2期（1999～2006年）に「セイバータイガー」と名称を改めて再登場しています。この名称変更は、作中世界観において所属勢力の異なるサーベルタイガーの強化仕様という設定に基づいています。しかし、トミーから発売された玩具は、基本的にカラーリングを変更したのみとなっています。

タカラトミーの広報によると、セイバータイガーは第1期、第2期を通じてゾイドシリーズ歴代商品の中で最高の販売数を記録しました。

設定解説

セイバータイガーは、ゼネバス帝国が中央大陸戦争時代に開発したサーベルタイガーのガイロス帝国仕様です。ZAC2056年の惑星Zi大異変後も生き残ったサーベルタイガーは、グレートサーベルへの改修を経て、ガイロス帝国によってさらにアップデートされました。これにより、動力機関や冷却装置が改良され、最高速度は240km/hにまで向上しました。開発ベースの個体数が減少したため、そのほとんどをコピー品で補い、生産コストの観点から通常装備に戻しつつも、機体性能はグレートサーベルと同等の水準を維持しています。

原型となったサーベルタイガーはシールドライガーに比べて不利な点がありましたが、セイバータイガーはガイロス帝国の改造によってシールドライガーとほぼ互角の性能を獲得しました。「紅き暴風」の異名を持つこの機体は、西方大陸戦争の緒戦から活躍し、ライトニングサイクスが登場するまでガイロス帝国高速部隊の主力ゾイドとして活躍しました。

武装・装備

対ゾイド30mm2連装ビーム砲: 背部に装備。シールドライガーが装備を内装式にしたことで最高速度を出す代わりにバランスが崩れる弱点があるのに対し、セイバータイガーは最初から火器を外付けにしているため、射撃戦での攻撃と対処が迅速に行えます。
地対地ミサイルポッド: 対ゾイド30mm2連装ビーム砲の上部に装備。
小口径対ゾイドレーザー機銃: 3連衝撃砲下部のハードポイントに装備。外形はサーベルタイガー時代の高圧濃硫酸噴射砲と同一ですが、セイバータイガーではレーザー機銃に変更されています。
TEZ20mmリニアレーザーガン: 尾部に装備。サーベルタイガーの接近戦用ビーム砲と同形状。
対ゾイド3連衝撃砲: 腹部に装備。
AEZ20mmビームガン: 本体背部に装備。サーベルタイガーの高速キャノン砲と同形状。
複合センサーユニット: 本体背部に装備。サーベルタイガーの全天候3Dレーダーと同形状。
キラーサーベル: 牙部の装備。
ストライククロー: 四肢の爪部。電磁爪として攻撃可能。
赤外線レーザーサーチャー: 3連衝撃砲下部のハードポイントに装備。サーベルタイガーの大型赤外線・レーザーサーチライトと同形状。

高速戦闘ゾイドとしての歴史

史上初の高速ゾイドであるヘルキャットの登場後、ZAC2036年には大型機初の高速ゾイドであるサーベルタイガーがロールアウトし、ゼネバス帝国では両機を併用した高速部隊を編成しました。共和国軍は、最高速を持続しつつ急所を破壊するサーベルタイガーの戦法に苦戦を強いられ、これに対抗するためにシールドライガーやコマンドウルフといったゾイドを導入しました。ZAC2043年にはこれらのゾイドからなる高速機動戦隊が活躍を見せました。このような部隊運用はZAC2099年からの第二次大陸間戦争時代においても継続され、高速ゾイドからなる高速戦闘隊が両陣営に組み込まれています。

キット

セイバータイガーは、トミー（現タカラトミー）から様々なキットが発売されています。初期のキットは単三電池1本で稼動し、歩行や下顎の開閉ギミックを備えていました。HMM（ハイエンド・マスターモデル）シリーズでは、より精密なディテールと可動範囲が追求され、多くのゾイドファンを魅了しました。また、MSS（モデラーズ・スピリット・シリーズ）では、1/144スケールでコレクションしやすいサイズで展開されています。

バリエーション機

セイバータイガーには、数多くのバリエーション機が存在します。セイバータイガーAT（アサルトタイプ）、セイバータイガーゴールド、セイバータイガーGSなど、それぞれ異なる特徴的な装備やカラーリングを持っています。これらのバリエーション機は、アニメやゲームなどのメディアにも登場し、セイバータイガーの人気をさらに高めています。

まとめ

セイバータイガーは、『ゾイド』シリーズを代表する高速戦闘ゾイドとして、その多様なバリエーションと活躍でファンを魅了し続けています。初期のサーベルタイガーから、ガイロス帝国仕様のセイバータイガー、そして数々の派生機まで、その進化の歴史はゾイドファンにとって見逃せない要素です。

もう一度検索