セイプディン・エズィズィ

セイプディン・エズィズィの生涯と業績

セイプディン・エズィズィ（Säypiddin Äzizi）は、1915年3月12日に新疆省アトゥシュに生まれたウイグル人の政治家です。彼の政治キャリアは、教育分野から始まりました。教師としての経験を経て、彼は教育改革に積極的に関与し、その後、1935年から1937年にかけてタシケントの中央アジア大学で学びました。帰国後の彼はタルバガタイ区で編集活動に従事し、ウイグル文化振興のために尽力しました。

1944年、クルジャにおいて東トルキスタン共和国が樹立されると、エズィズィは共和国政府で教育庁副長として任命され、1945年には政府委員、さらに教育庁長に昇進しました。1946年には、アブドゥルキリム・アバソフらが設立した東トルキスタン人民革命党の中央委員および宣伝部長として活動しました。しかし、同年の東トルキスタン共和国政権と中国国民党系の政権との統合により、新疆省連合政府が成立し、新政権の教育庁長を再び務めることとなりました。

1947年、張治中省政府主席の辞任に伴い、新疆連合政府が崩壊した後、エズィズィはアフメトジャン・カスィミらと共にイリに戻り、新疆人民民主同盟を結成しました。国共内戦の終息を迎えて1949年、彼はイリ政権を代表して中国共産党に接近し、同年9月には政治協商会議に参加し、政協委員に選出されました。この動きは、彼が中国共産党に加入する重要な一歩となりました。

中華人民共和国成立後、彼はウイグル族の代表としての役割を果たし、1949年に新疆省政府の副主席や新疆軍区の副指令員に任命されました。また、1951年には中国共産党民族部の部長や新疆省幹部学校の校長など、多くの重要な役職を歴任します。

1955年、新疆ウイグル自治区が設立された際には、初代自治区政府主席及び自治区共産党委員会書記に就任し、一級解放勲章を受章。文革の時代には自治区革命委員会の主任に任命され、さらに自治区党委員会の第一書記および新疆軍区の第一政治委員に就任しました。

彼の政治キャリアは、1980年代を超えても続き、中央政治局候補委員や全国人民代表大会常務委員会副委員長として多くの歴史的な役割を果たしました。1993年には、政治協商会議全国委員会の副主席に選出され、引退後の2003年には回顧録を発表し、自己の経験を振り返りました。

セイプディン・エズィズィは、2003年11月に北京にて85歳で死去しました。彼の業績や政治的役割は、ウイグル族の歴史と文化において重要な位置を占めており、彼の足跡は現在でも多くの人々に影響を与えています。

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