セイルフィッシュ級潜水艦

セイルフィッシュ級潜水艦

セイルフィッシュ級潜水艦は、アメリカ海軍に属する潜水艦の艦級であり、特にその初期用途が注目されます。この艦級は、空母機動部隊の前衛としての役割を果たすことを目的に設計されました。そのため、大型レーダーを搭載し、敵の監視に特化したレーダーピケット潜水艦として構想されていました。しかし、技術の進歩に伴い、レーダーおよび早期警戒機の性能が向上すると、セイルフィッシュ級の存在意義が薄れたため、次第に攻撃型潜水艦へと艦種が変更されました。

この艦級の排水量は、当時のアメリカの潜水艦の中でも最大級であり、その大型設計は一目でわかります。就役時には、司令塔の他に艦の後部に大型レーダー・マストを装備し、戦術的な通信やデータ収集、目標追尾が可能でした。特に、司令塔にはBPS-2対空レーダーを搭載しており、これは内部に収納できる設計になっています。一方、艦後部のレーダー・マストにはBPS-3高角測定レーダーが装備されていました。こうした装備によって、敵の航空機や艦船を早期に発見する能力がありました。

武装については、セイルフィッシュ級は魚雷発射管を6門装備しており、大口径砲などの火器は取り入れていませんでした。これにより、主に水中での攻撃を主眼とした設計がされていたことがわかります。また、艦の設計そのものが大型のため、高速での移動や長時間の潜行が可能でした。

そうした技術や設計の特性を引き継ぎつつも、艦種の変更を受けたセイルフィッシュ級は、その後のアメリカ海軍の潜水艦戦力において重要な役割を果たしました。特に、敵国の水域における監視活動や対艦攻撃において、その存在価値は高かったと言われています。

同型艦

セイルフィッシュ級潜水艦には、いくつかの同型艦が存在します。以下に代表的な艦について簡単に紹介します。

• - セイルフィッシュ (USS Sailfish, SSR/SS/AGSS-572): 1956年に就役し、1978年に除籍後、2007年に実標的として沈没処分されました。
• - サーモン (USS Salmon, SSR/SS/AGSS-573): 同じく1956年に就役し、1977年に除籍、のち1993年に実標的として沈められました。

これらの艦は、それぞれの期間においてアメリカ海軍のさまざまな任務に貢献し、潜水艦の発展に寄与しました。セイルフィッシュ級は、単なる潜水艦ではなく、敵の動向を探る重要な役割を果たしつつ、攻撃能力を持つ艦へと進化していったのです。

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