セカンド・ラブ (映画)

映画『セカンド・ラブ』の概要

『セカンド・ラブ』は1983年に公開された日本映画で、女性の愛と再婚をテーマに描かれています。主演は大原麗子、監督は東陽一氏で、彼女の代表作の一つとも言われています。本作品は、都市の生活の中で自らの幸せを追求する女性の姿を通して、観客に様々な考察を提供します。今回の映画は大原の映画出演としては1970年の『三匹の牝蜂』以来のものであり、彼女のキャリアにおいて重要な位置づけを持っています。彼女は、1960年代に東映プログラムピクチャーに多く出演し、1970年代はテレビで大きな人気を得ることになります。

ストーリー

物語は、グリーンコーディネーターの日向一実（大原麗子）が主人公です。32歳の一実は、過去に年上の男性と結婚し、二年前に現在の夫・秀夫（小林薫）と再婚します。夫は建築家として忙しく、二人はお互いに自立した関係を築いています。しかし、夫の秀夫はたびたびかかる不明な電話に疑念を持ち、一実は妊娠の兆しを感じつつも、夫には打ち明けることができません。物語のクライマックスでは、突如として台所に死んでいる見知らぬ男がいるという衝撃的な展開を迎えます。この死体は一実の生活に影響を及ぼし、二人の関係が試されることとなります。

キャスト

• - 日向一実役：大原麗子
• - 日向秀夫役：小林薫
• - 友春役：アイ・ジョージ
• - 展子役：中村れい子
• - 秀夫の兄役：河原崎建三
• - 秀夫の父・辰巳役：奥村公延
• - 山野役：長谷川初範
• - 磯村役：西岡徳馬
• - 一実の母・志保役：荒木道子
• - 一実の姉・茅子役：赤座美代子

制作背景

『セカンド・ラブ』は製作における様々な背景がある映画でもあります。1970年代には熟女ヌードブームも影響し、当初仮タイトルは『熟女』でしたが、最終的に『セカンド・ラブ』に変更されました。このタイトル変更は、大原麗子が脱ぐかどうかの問題に直結しており、彼女は出演当初、ヌードシーンに抵抗感を持つも、タイトル変更を機に出演を受け入れています。監督はこの映画でのセックス・シーンの必然性を強調し、演出にあたりました。

撮影とトラブル

撮影は1983年2月に開始されましたが、撮影中に大原がヌードを拒否するというトラブルが起こります。大原はファンの期待に応えたい気持ちと、女優としてのスタンスの間で葛藤し、結果的に大きな話題を呼びました。このトラブルはメディアに多く取り上げられ、映画製作の現場での悪影響を及ぼしました。

作品の評価

金澤誠は、映画が描こうとした微妙な生活のズレについて評価を残し、その表現が十分に消化されていないとの指摘をしています。また、本作はたくさんの議論を巻き起こし、特に女性の描写に対する視点が多様であったため、批評家からの注目も集めました。結末やテーマの複雑さから、視聴者に様々な感情をもたらし、映画としての深さと広がりを見せています。

同時上映

本作に加え、同時上映作品として五月みどり主演の『悪女かまきり』がありました。この二本立ては当時の観客に向けた女性向けフィルムとして、一つの潮流を形成しました。

『セカンド・ラブ』は、愛と人間関係、そして自己発見の過程を鮮やかに描いた作品であり、時代を超えて愛され続けています。

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