セクシー・ユー（モンロー・ウォーク）

郷ひろみ「セクシー・ユー（モンロー・ウォーク）」：時代を彩った一曲の軌跡

1980年1月21日、郷ひろみ33枚目のシングル「セクシー・ユー（モンロー・ウォーク）」が発売されました。この曲は、南佳孝が1979年に発表した「モンロー・ウォーク」をカバーした作品です。

カバー誕生の背景と変更されたタイトル

「セクシー・ユー（モンロー・ウォーク）」は、原曲「モンロー・ウォーク」の1番の歌詞を多く継承しつつ、2番以降は新たに書き下ろされた歌詞となっています。レコード会社は、郷ひろみのファン層に「モンロー・ウォーク」の語源が理解されない可能性を考慮し、タイトルを「セクシー・ユー」に変更しました。この変更には、原曲の作詞者である来生えつこ氏が不満を持っていたという逸話も残っています。

南佳孝氏は「モンロー・ウォーク」発表後に海外へ渡り、活動を休止していました。そのため、レコード会社は同じレーベルに所属していた郷ひろみに同曲を歌ってもらうことで、南氏の収入源を確保することを目的としていたようです。

テレビ番組出演と様々なエピソード

当時人気を博していた音楽番組「ビッグベストテン」（フジテレビ系）では、郷ひろみが風邪で出演できない事態が発生しました。そこで、郷ひろみの物真似で知られていた若人あきらが、郷ひろみ本人になりきって「セクシー・ユー（モンロー・ウォーク）」を歌唱するという、ハプニングがありました。これは郷ひろみの母親からの提案によるものだったと伝えられています。若人あきらは、アフロヘアーに口髭という姿で、見事に郷ひろみを演じきったそうです。

また、この曲は、スティールパンという楽器を初めて歌謡曲に取り入れた作品としても知られています。スティールパンの不思議な音色は、「ザ・ベストテン」（TBS系）などの音楽番組で紹介され、話題となりました。現在では癒し系の楽器として知られるスティールパンですが、当時としては非常に斬新な試みだったと言えるでしょう。

さらに、お笑い芸人・永野さんのネタ「ノリノリで香水をつける人」でも、イントロ部分が使用されているなど、現在でも注目を集め続けている楽曲です。

1994年版シングル：新たなアレンジで蘇る名曲

1994年には、「GO-GO'S」名義で、難波正司氏による編曲と屋敷豪太氏によるリミックスを施したバージョンが発売されました。オリジナルとは異なるアレンジが施され、新たな魅力が加わったバージョンとなっています。

まとめ：時代を超えて愛される一曲

「セクシー・ユー（モンロー・ウォーク）」は、カバー曲であること、タイトル変更の経緯、スティールパンの導入、テレビ番組での様々なエピソードなど、数々の興味深いエピソードを持つ楽曲です。これらの要素が複雑に絡み合い、時代を超えて愛され続ける一曲を作り上げていると言えるでしょう。その背景を知ると、楽曲への理解がさらに深まることでしょう。

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