ビッグベストテン

フジテレビの音楽番組『ビッグベストテン』

『ビッグベストテン』は、1979年11月2日から1980年3月28日まで、フジテレビ系列で放送されていた音楽番組です。フジテレビとワイドプロモーションの共同製作で、毎週金曜20:00 - 20:54に放送されていました。

概要

当時、TBSの『ザ・ベストテン』が人気を博しており、フジテレビがその対抗番組としてゴールデンタイムに投入したのが『ビッグベストテン』でした。「黒柳さん、久米さん、見てますかー!」というキャッチフレーズが印象的でした。

司会は、当時ニッポン放送のアナウンサーだった高嶋秀武と、女優の丘みつ子が務めました。高嶋の起用は、フジテレビとニッポン放送がグループ企業であったからこそ実現したもので、高嶋は出向という形で出演していました。しかし、丘みつ子は放送開始から3か月後の1980年2月上旬に番組を降板しています。

番組は『ザ・ベストテン』と同様に1時間の生放送で、毎回音楽ランキングを発表していました。また、『ザ・ベストテン』のように各地からの生中継も行っていました。

ランキングは独自の集計方法を採用しており、有線放送のポイントは加味されていませんでした。ラジオのポイントはニッポン放送の『不二家歌謡ベストテン』のものを、ハガキリクエストは「ファン投票」として集計していました。ランキング発表時には、電光掲示板風のマグサインボードに「第○位 XXXX点 <曲名> <歌手名> Big Best 10」と大きく表示していました。後に、「レコード○位 ラジオ○位 ファン○位」という3要素のランキングも発表するようになりました。

ランクインした歌手は、「光のトンネル」と呼ばれる電飾された八角形のゲートをくぐって登場していました。番組の冒頭では、出演歌手全員が揃って登場する演出もありました。出場歌手には、曲名入りの黄金のマイクがプレゼントされ、ランクインしている間はその歌手のマイマイクとして使われていました。

初回で第1位となった曲は桑名正博の「セクシャルバイオレットNo.1」でしたが、桑名自身はコンサート後の移動中に高速道路で渋滞に巻き込まれ、出演できませんでした。さだまさしの「親父の一番長い日」が第1位になった際には、番組を19:30に繰り上げて放送し、フルコーラスで歌ってもらうという特別な対応が取られました。バラクーダの「日本全国酒飲み音頭」は、『ザ・ベストテン』にはランクインしませんでしたが、『ビッグベストテン』には何度もランクインしています。

番組末期には、出演予定の歌手が欠席した場合のピンチヒッターが登場するようになりました。

例えば、裏番組の『3年B組金八先生』の主題歌である海援隊の「贈る言葉」がランクインした際には、武田鉄矢をはじめとするメンバーは出演できませんでした。代わりに石野真子が登場して歌いました。沢田研二の「TOKIO」がランクインした時にはタモリが登場し、「TOKIO〜」の節のみを歌いました。郷ひろみの「セクシー・ユー」がランクインした際には、郷本人が風邪で出演を辞退し、代わりに郷のものまねで有名だった若人あきらが郷の実母の依頼で急遽登場し、歌いました。アリスの「秋止符」がランクインした際には、細川たかしと新沼謙治が登場し、それぞれの持ち味で歌い上げました。

オープニングテーマとエンディングテーマは、映画『夢一族 ザ・らいばる』のサウンドトラック収録曲「BLACK-RIDER」が使用されました。また、番組開始当初は、『ザ・ベストテン』で10位以内に入った曲のランキングを「アチラのベストテン」として紹介するコーナーもありました。

『夜のヒットスタジオ』と同じ制作班が手掛けた番組でしたが、モノラル放送で制作されたことや、演出面で見劣りする点があり、平均視聴率も低迷したため、番組は5か月で打ち切られました。最終回のエンディングでは、出演者全員に金のマイマイクが贈られました。

歌手がスタジオに来られない場合には、『ザ・ベストテン』と同様に中継が行われました。

スタッフ

『夜のヒットスタジオ』のスタッフが制作に参加していました。

構成：塚田茂、高田文夫、スタッフ東京
音楽：青木望、広瀬健次郎
テーマ音楽：都倉俊一とグランドオーケストラ
演奏：ダン池田とニューブリード
美術：石鍋伸一郎
デザイン：馬場文衛
メーク：山口千鶴
タイトル：藤井苑子
振付：西条満
踊り：スクールメイツ
ディレクター：井上信悟
演出：疋田拓、渡邉光男
プロデューサー：疋田拓

放送局

当時の系列局は以下の通りです。

フジテレビ系列局

当時日本テレビ系列・フジテレビ系列・テレビ朝日系列のクロスネット局だった新潟総合テレビとテレビ大分は、本番組をネットせずに日本テレビの『太陽にほえろ!』を放送していました。

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