セクストゥス・ユリウス・カエサル (紀元前91年の執政官)

セクストゥス・ユリウス・カエサル

セクストゥス・ユリウス・カエサル（生年不詳 - 紀元前90年）は、共和政ローマ後期に活躍した政治家であり軍人です。彼はユリウス氏族の一員として、紀元前91年に執政官（コンスル）の地位に就きました。

出自

ユリウス氏族は、ローマの由緒あるパトリキ（貴族）の一門であり、その祖先を女神ウェヌスにまで遡らせていました。一族は、アルバ・ロンガの有力者の一族であり、ローマ建国初期から多くの執政官を輩出してきました。しかし、紀元前267年以降は一時期低迷していました。

カピトリヌスのファスティによれば、セクストゥスの父はガイウス、祖父はルキウスです。歴史家の間では、父ガイウスが紀元前90年代にアシア属州総督を務めた人物、すなわち、後の独裁官ユリウス・カエサルの叔父である可能性が指摘されています。また、ガイウス・マリウスとは親戚関係にあったとも言われています。

セクストゥスの又従兄弟には、紀元前90年に執政官を務めたルキウス・ユリウス・カエサルや、按察官のガイウス・ユリウス・カエサル・ストラボ・ウォピスクスがいます。

経歴

執政官就任以前のセクストゥスの経歴は、ほとんど知られていません。しかし、紀元前100年末のルキウス・アップレイウス・サトゥルニヌスの反乱鎮圧に、ユリウス氏族の一員として参加した可能性が指摘されています。また、ウィッリウス法の規定から、遅くとも紀元前94年までには法務官（プラエトル）に就任していたと考えられています。

紀元前91年、セクストゥスは執政官に就任しました。同僚は平民出身のルキウス・マルキウス・ピリップスでした。この年は、護民官マルクス・リウィウス・ドルススの改革案や、同盟都市がローマ市民権を求めたことが重要な出来事でした。アルバ山の祭りで、同盟都市が執政官2人を暗殺しようと企てたという事件も起きています。

ドルススの改革が頓挫し、彼が暗殺されると、同盟都市は反乱を起こし同盟市戦争が勃発しました。当初、セクストゥスは同盟市戦争に関与していなかった可能性があります。しかし、彼は後に前執政官（プロコンスル）として軍を率い、アスクルムを包囲することに成功しました。しかし、包囲中に病死し、軍の指揮はグナエウス・ポンペイウス・ストラボが引き継ぎました。

子孫

セクストゥスには同名の息子がおり、フラメン（司祭）を務めていました。その息子セクストゥスは、紀元前48年に財務官（クァエストル）に就任し、紀元前47年から紀元前46年にかけてシリア属州総督を務めましたが、兵士の反乱によって殺害されました。

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