セグロジャッカル

セグロジャッカル（背黒胡狼）

セグロジャッカル（Lupulella mesomelas）は、イヌ科に属する食肉類の一種であり、特定動物に指定されています。かつてはイヌ属に分類されていましたが、近縁のヨコスジジャッカルと共に、現在は独立した種として扱われています。

分布

セグロジャッカルは、アフリカ大陸の東部と南部に分断された形で分布しています。

東部: エチオピア、エリトリア、ケニア、ジブチ、ソマリア、スーダン、タンザニア、ウガンダ
南部: アンゴラ、ナミビア、ボツワナ、南アフリカ共和国、モザンビーク、ジンバブエ、スワジランド、レソト

これらの地域に、彼らは適応して生息しています。

形態

体長: 45 - 90cm
尾長: 25 - 40cm
体重: 6 - 15kg

体色は、頭部や体側面が褐色、腹面が白い体毛で覆われています。特徴的なのは、背面と尾が黒や白の体毛で覆われていることで、和名や英名（black-backed jackal）の由来となっています。また、耳介は大きく、先端が尖っているのも特徴です。

生態

サバンナや開けた低木林、海岸の砂漠などに生息しています。オスとメスのペア、または血縁関係のある個体からなる小規模な群れを形成し、生活しています。ペアは通常、一生解消されることはありません。広大な縄張りを持ち、夜行性であるため、昼間は巣穴で休息します。巣穴は、地面に空いた穴や岩の隙間、ツチブタがアリ塚などを利用することが多いですが、浅い穴を掘って巣とすることもあります。

食性は雑食性であり、果実、ガゼルやディクディクなどの小型哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、昆虫、動物や魚の死骸など、様々なものを食べます。ペアで縄張り内を徘徊し、採食を行います。時には、ペアや群れで協力してトムソンガゼルの幼獣などを捕食することもあります。

繁殖形態は胎生です。7月から10月にかけて、1回に最大9頭の幼獣を産みます。幼獣は生後3週間ほどを巣穴で親と共に過ごし、約5か月で独立、約11か月で性成熟を迎えます。その後、幼獣は親のヘルパーとして親元に残ることがありますが、その行動は周囲の環境に左右されます。獲物が多い環境では、狩りができる程度に成長した個体から順に独立していきます。一方、獲物が少ない環境では、兄弟間で生存競争が起こり、成長の早い幼獣が他の幼獣を追い出すことがあります。親元に残ったヘルパーは、親が次の幼獣を産んだ場合、獲物の運搬や保護を行うなど、子育てをサポートします。ヘルパーは親に服従しながらも、親が隠した獲物を盗み食いしたり、狩りの腕を磨いたりして、やがて独立していきます。

人間との関係

開発による生息地の破壊や、家畜や農作物を食害する害獣としての駆除などにより、生息数は減少傾向にあります。しかし、その適応能力の高さから、現在もアフリカの各地でその姿を見ることができます。

関連項目

イヌ科
* イヌ属

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