セスナ 180

セスナ 180 スカイワゴン

セスナ180スカイワゴンは、アメリカのセスナ社が開発した軽飛行機で、1952年5月に初飛行を行いました。この機体は、セスナ170Bの強化型として位置付けられており、主にエンジンが強化されたことが大きな特徴です。新たに搭載されたコンチネンタル製O-470-Aエンジンは225馬力を発揮し、機体のパフォーマンスを大いに向上させました。

この機体は、主翼の面積を維持しつつも最大離陸重量を増加できる設計がなされており、胴体と尾翼も一新されているため、より優れた操縦性を実現しました。特に、遠隔デリバリーなどの用途に対応するために短距離離着陸能力が高く評価されています。日本でも、南極地域観測隊がこの機体を使用していたことで知られています。

量産は1953年から始まり、パイロットたちの間で人気を博しました。その後も改良が続き、特に180G型からは6座席仕様が登場しました。1981年までに打ち切られるまでの間、セスナ180は基本型のスカイワゴンと、電子機器が搭載されたスカイワゴンIIという二つのバリエーションが提供されました。総生産機数は6,193機を超え、幅広い用途での利用がなされました。

派生型

この機体にはいくつかの派生型が存在し、各モデルごとに異なる特徴があります。

• - 180型: 最初の量産型で、225馬力を発揮するコンチネンタル製O-470-Aエンジンを搭載し、3,000機が生産されました。
• - 180A型: エンジンが230馬力のコンチネンタル製O-470-Kに変更され、356機が生産。
• - 180B型: 新しい計器盤とカウリングの変更が行われ、306機が生産されました。
• - 180C型: 定速プロペラを採用し、250機が生産。

以降も180D、180E、180F、180G、180Hと続き、特に180Fからはオプションで6座席仕様にすることが可能でした。180H型は830機が生産され、その後180J型や180K型も続いて生産されました。

採用国

セスナ180スカイワゴンは、軍用機としても幅広い国々で使用されました。採用された国には、オーストラリア、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、イスラエル、ミャンマー、ニカラグア、フィリピン、タイ、ウルグアイなどが含まれています。

諸元

• - 全長: 7.98 m
• - 全幅: 10.98 m
• - 全高: 2.29 m
• - 翼面積: 16.2 m²
• - 空虚重量: 690 kg
• - 最大離陸重量: 1,158 kg
• - 最大速度: 267 km/h
• - 巡航速度: 260 km/h
• - 実用上昇限度: 6,100 m
• - 航続距離: 1,247 km
• - 乗客数: 3名
• - 乗員数: 1名

登場作品

セスナ180スカイワゴンは、映画『遠い海から来たCOO』に登場し、スティングレイ・エアーウェイズのトニー・ボトムズが観光客を乗せた遊覧飛行のために使用する機材として描かれています。

参考文献

• - 分冊百科「週刊 ワールド・エアクラフト」No.92 2001年 デアゴスティーニ社

このように、多様な改良と開発を経て、セスナ180スカイワゴンは軽飛行機としての地位を確立し、多くのパイロットに愛用されてきました。

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