セスナ 195

セスナ190と195について

セスナ190（Cessna 190）とその改良型セスナ195（Cessna 195）は、1947年から1954年まで製造された星型エンジン搭載の軽飛行機です。この機体は「ビジネスライナー」としても知られており、軍用機としても利用されました。

開発の背景

190と195は、セスナが第二次世界大戦後に開発した唯一の星型エンジン搭載機です。開発は1944年に始まり、1944年12月7日に初飛行が実施され、1945年10月にはセスナ190のプロトタイプ、1946年にはセスナ195のプロトタイプが飛行しました。セスナ190の生産は1953年に終了しましたが、セスナ195は1954年まで生産が行われました。

この機体は、当時のセスナ製品の中で、全アルミニウムの機体を持つ初のモデルでした。主翼は高翼型の片持ち式で、翼型はNACA 2412が採用されています。この翼型は、後にセスナの他のモデルでも使用されることになります。エンジンはダイナミックな性能を実現し、セスナ195の大型機体には直径42インチ（約110cm）の星型エンジンが搭載されています。

座席配置は二列で、前列には一人掛けの座席が二席、後列にはベンチシートがあり、最大3人が搭乗できる設計です。降着装置は鋼鉄製の板バネ式で、可動式の降着装置を追加装備することも可能でした。

軍事用途

セスナ195は、アメリカ合衆国陸軍や州兵においてLC-126（後にU-20）として運用されました。この機体は、スキー板やフロートを用いた着陸装置への改造も可能で、総計83機が納入されました。主に軽輸送機や多用途機として利用されました。LC-126の大半は、民間機として再改修された後、払い下げられました。

パフォーマンスと運用

セスナ195は燃費が良く、通常の飛行には約5米ガロン（約19リットル）の燃料で対気速度148ノット（約274 km/h）での航行が可能でした。プロペラはハミルトン・スタンダードの2翅プロペラが使用されており、最大速度は298 km/hに達します。これにより、巡航時の効率的な運用が可能となりました。

現在、セスナ190と195はパイロットやコレクターの間で非常に人気があり、中古市場でも高い需要があります。アメリカ合衆国では、2016年時点で89機の190と231機の195が登録されています。これらの機体は、ビジネス機としての特性やクラシックな魅力から、多くの運用者によって愛されています。

日本における利用

日本では、195が主に新聞社の取材機として活用され、特に読売新聞社、毎日新聞社、朝日新聞社により導入されました。読売新聞社の「よみうり101号」は、戦後の日本で登録された最初の民間機として知られています。さらに、朝日新聞社の取材機や、北日本航空の不定期便にも使用されたり、展示用に保存された例も存在します。

型式とモデルの違い

セスナ190と195の違いは、搭載されているエンジンにあります。190は180kW（240hp）のコンチネンタルW670-23エンジンを搭載しているのに対し、195は225kW（300hp）のジェイコブスR-755-A2を搭載しています。このように、セスナ190と195は、特にビジネス市場を意識した設計による機体として、多様なニーズに応える姿勢を体現しています。

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