セゾンテクノロジー

株式会社セゾンテクノロジーは、東京都港区に本社を構えるシステムインテグレーター（SIer）です。かつては株式会社セゾン情報システムズの名称で知られていました。

その起源は1970年9月、当時の西武流通グループにおける情報処理機能の集約と、新たな情報サービス事業の創出を目指し、西武百貨店と西友の電算部門を統合して設立された「株式会社西武情報センター」に遡ります。設立当初は資本金5千万円で、東京都豊島区南池袋に本社を置いていました。その後も、1975年には西武都市開発（現在の西洋環境開発の前身）、1981年には緑屋計算センターの電算部門を順次統合し、グループ内の情報処理体制を強化しました。

時代の変化と事業拡大に伴い、1992年4月には株式会社セゾン情報システムズへと商号を変更。この頃から、顧客の多様なOA化ニーズに応えるべく、システム販売事業なども展開していました。現在は、クレディセゾンが約46.8%の株式を保有する持分法適用関連会社であり、金融グループとの強い繋がりを持っています。

事業の中核を成すのは、金融業界、流通・サービス業界向けのシステム開発・運用、そして自社開発のソフトウェア製品事業です。特に、ファイル転送ミドルウェア「HULFT」は同社の顔とも言える製品で、長年にわたり国内トップクラスのシェアを維持しています。2008年度には国内販売数量シェア率75.0%を記録し、2023年3月末時点では累計販売本数230,000本以上、導入企業数10,000社を超える実績を持っています。HULFTは、単なるファイル転送にとどまらず、データ連携基盤として多様なシステムやクラウド環境に対応する製品ラインナップ（HULFT-SAN、HULFT BB、HULFT-HUB、HULFTクラウドなど）を展開し、企業のデータ活用を支えています。

金融分野では、Fintechプラットフォーム事業として、審査や債権回収、セキュリティ（PCIDSS準拠支援など）に関するソリューションを提供。流通・サービス分野では、流通ITソリューション事業として、HULFTクラウドサービスやGIFTクラウドサービス、小売チェーン向け統合ソリューション「STORES」、受発注・伝票処理・単品在庫管理ソリューション「WebTAURUS®」などを展開しています。その他、システム運営管理受託や、かつては人材派遣、給与業務アウトソーシング「Bulas」なども手掛けていましたが、BPO事業の一部は会社分割により他社へ譲渡されるなど、事業ポートフォリオの見直しも行われています。

沿革としては、1993年1月にはHULFTの販売を開始し、現在のパッケージ販売事業の礎を築きました。同年11月には日本証券業協会に株式を店頭登録。その後、1995年の特定システムオペレーション企業認定、1997年のISO9001認証取得、1999年のプライバシーマーク取得、2003年のISMS認証取得など、品質管理や情報セキュリティ体制の強化にも積極的に取り組んできました。

上場についても変遷があり、2004年12月にジャスダック証券取引所に上場。市場統合を経て、2013年7月には東京証券取引所JASDAQ（スタンダード）に上場。2022年4月の市場区分見直しにより、東京証券取引所スタンダード市場に移行しました。事業拡大に伴い、子会社設立（世存信息技術（上海）有限公司、HULFT, Inc.など）やM&A（アプレッソ子会社化・吸収合併、三協サービス・流通情報ソリューションズ吸収合併など）も実施し、グローバル展開やソリューション強化を図っています。

2021年11月には株式会社メルコホールディングスの持分法適用関連会社となり、新たな資本関係も構築されました。そして、2024年4月1日には、事業内容をより明確に表すため、また主力製品である「HULFT」を想起させるよう、株式会社セゾン情報システムズから「株式会社セゾンテクノロジー」へと商号を変更し、現在に至ります。

国内の主要拠点としては、本社（東京都港区）のほか、関西事業所（大阪市）、名古屋営業所（名古屋市）、九州サテライトオフィス（福岡市）などを有し、事業を展開しています。

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