セナクトエンラー

セナクトエンラー・イアフメスについて

セナクトエンラー・イアフメス（在位：紀元前1596年頃 - 1591年頃または1560年頃 - 1559年頃）は、古代エジプト第17王朝のファラオです。この王は、セナクトエンラー・タア1世とも呼ばれています。近年まで、彼は新王国時代の記念碑などによってのみ知られていましたが、2012年にカルナック神殿の発掘調査で彼に関連する重要な史料が見つかりました。この発見により、彼の治世に関する新たな視点が提供されています。

発見された情報

発見された資料には、セナクトエンラーの名前が刻まれた門が含まれており、これが彼の統治の実態を示す最初の同時代資料といえます。この資料によると、彼はヒクソスの支配下にあったメンフィス南方のトゥーラから資材を輸入していたことが確認されました。これにより、彼の時代における経済的・政治的状況の一端が明らかになったのです。

家族背景

セナクトエンラーの家族に関しては、カルナックの王名表にその名前が刻まれており、またデル・エル・メディーナで作られた墓の壁画には、彼が第17王朝末期の王々と共に「西方の主人たち」として神格化されている様子が描かれています。彼の息子であり第18王朝の初代ファラオであるイアフメス1世は、母方の祖母であるテティシェリを称賛しており、これによりセナクトエンラーが彼女の夫であり、セケンエンラーの父であることが確認されています。

また、セナクトエンラーの先代の王たちとの関係は今もなお不明ですが、3代前の王アンテフ6世の王妃には「王の姉妹」との呼称が与えられており、これはセナクトエンラーに関わる可能性があります。さらに、セベクエムサフ2世の娘が別の王の息子アメニの妻になっているため、セナクトエンラーがアメニの父であるという見解もあります。

名前とその意味

セナクトエンラーの誕生名に関する情報は限られていますが、ラムセス9世の時代の「墓泥棒のパピルス」には、誕生名タアを持つ王の墓についての記載があります。以前は、多くの研究者がこの資料を元にセナクトエンラーをタア1世、セケンエンラーをタア2世として認識していました。しかし、2012年の新たな発見によって、セナクトエンラーの誕生名がイアフメスであることが確認され、従来の解釈が見直されることとなりました。

まとめ

セナクトエンラー・イアフメスは、古代エジプトの重要な王の一人として位置づけられています。彼に関する新たな考古学的発見により、歴史的な理解が深まるとともに、ファラオたちの血筋や同時代の政治状況についての研究がさらに進むことが期待されています。彼の治世の詳細が明らかになることで、古代エジプトの歴史における役割が再評価されることでしょう。

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