セビロドチザメ

セビロドチザメ（Gogolia filewoodi）

セビロドチザメはドチザメ科に属し、セビロドチザメ属に分類される唯一の種です。パプアニューギニアの固有種であり、独特の生態を持っています。

分布

セビロドチザメは西部太平洋、特にニューギニア島北部のアストロラーベ湾内の深海域に生息しています。1973年に記載されたこの種は、その後約50年間に渡り新しい標本が得られず、非常に珍しいサメとされています。しかし、2020年と2022年にはゴゴール川エリアでの調査で雌5個体と雄1個体が捕獲され、同地域での生存が確認されました。

漁師の話によると、このサメはアストロラーベ湾の特定の場所でのみ見られ、主に大型魚類の漁の際に混獲されているとのことです。特に、乾季の期間中に捕獲されることが多いとされています。

形態

セビロドチザメの体は細長く、特に吻が非常に長いのが特徴です。吻の長さは口幅の1.5倍以上で、第一背鰭は大きく、尾鰭上葉の長さとほぼ等しくなっています。また、臀鰭は第二背鰭より小さく、その配置も独特です。歯は薄く外側に傾き、上顎の歯の多くに尖った部分があります。体色は灰褐色で腹側は白いです。

記載された個体の全長は74cmで、2尾の胎児を持っていたことが知られています。雌は成熟するには60cm以上になると考えられており、73cmの個体は確認された唯一の成熟雄とされています。

人との関わり

セビロドチザメは、その稀少性から世界で最も希少なサメの一つとされています。特に、他に同属の種が存在しないため、パプアニューギニアの生物多様性の象徴的な存在とされる可能性があります。漁業上ではアストロラーベ湾やゴゴール川の河口近くで捕獲されることが予想されています。

また、このサメの肉はあまり評価が高くないため、余剰分がある場合は無償提供されることもあります。フカヒレの品質も良くないとされていますが、漁師によると、ゴゴール川河口近くでの調査で5個体の雌を捕獲できたことから、漁業においては混獲されることがあるようです。

最近のハタ類などの浮袋の取引の増加は、セビロドチザメが生息する限られた海域に対する保全の脅威となる可能性があるため、さらなる注意が必要とされています。

参考文献

• - Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2006). "Gogolia filewoodi" in FishBase. July 2006 version.

もう一度検索