セベロクリリスク

セベロクリリスクの概要

セベロクリリスク（ロシア語：Се́веро-Кури́льск）は、千島列島北部に位置するパラムシル島の北東部にある都市で、北クリル管区の行政の中心地でもあります。この町の地理的な位置は北緯50度40分、東経156度07分であり、2023年の調査によると、住民の数は2,439人となっています。
セベロクリリスクは、日本の統治下にあった1875年から1945年の間には「柏原」という名前で知られていました。1945年にソ連がこの地域を占領し、その後1947年にはサハリン州に編入されました。

歴史的な出来事

この町は過去に数回の自然災害に見舞われています。特に1952年11月4日に発生したカムチャツカ地震では、地震によって引き起こされた津波が町を襲い、2,336人という多くの死者を出しました。この津波は通信施設などにも大きな影響を与えましたが、町自体は高地に再建されることとなります。
また、1994年には日本の北海道根室市と姉妹都市提携を結び、国際的な交流の一環として様々な活動を行っています。

最近では、2025年7月30日に発生したカムチャツカ半島地震においても津波と浸水の被害を受けました。この津波は4回襲来し、最高5メートルの高さに達しました。ただし、高地に位置する住宅地は影響を免れ、住民は事前の避難により無事でした。

アクセス

この町へのアクセスはペトロパブロフスク・カムチャツキーからのフェリー「ギパニス」によって行われることが一般的です。また、ヘリコプターによる通勤サービスもあり、ヴィチャジアエロが運営しています。加えて、旧日本軍の飛行場跡を利用した新たな飛行場の建設計画も進行中で、将来的にはユジノサハリンスク空港からの直行便が提供される予定です。

気候

セベロクリリスクの気候は亜寒帯湿潤気候に分類され、夏は涼しく、20度を超えることはほとんどありません。一方で、冬は高緯度の割には暖かく、氷点下10度を下回ることはあまりありませんが、雪は多く降ります。このため、冬季には美しい雪景色が広がります。

セベロクリリスク港

日本統治時代から漁業の拠点として知られるセベロクリリスク港は、現在も漁船の基地となっています。一部の港湾施設には日本時代の防波堤が残り、歴史的な価値を持ち続けています。しかし、老朽化した埠頭の改良は1990年代以降の課題となっており、ロシア連邦の開発プロジェクトの一環として検討されていますが、2009年時点での完成には至っていません。

78年代まではサケやマスの捕獲および捕鯨の基地として機能していましたが、1990年代以降はズワイガニを対象とした漁業が中心になっています。2025年の地震による津波は港に壊滅的な影響を及ぼし、多くの船が被害を受けましたが、幸いにも人的被害は発生しませんでした。

セベロクリリスクは、その歴史的背景や自然災害に対する耐性を示す一方で、漁業を基盤とした町として、地域経済にも重要な役割を果たしている都市です。

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