北クリル管区

北クリル管区について

北クリル管区（Северо-Курильский городской округ）は、ロシア連邦サハリン州に属する管区で、行政上はセベロクリリスク都市管区と同一です。カムチャツカ半島南側に連なる千島列島の北部、具体的には阿頼度島、占守島、幌筵島などを含む多数の島々で構成されています。管区の中心地であり、事実上唯一の居住地であるセベロクリリスクが区庁所在地となっています。

地理

管区は、阿頼度島、占守島、幌筵島、志林規島、磨勘留島、温禰古丹島、春牟古丹島、知林古丹島、越渇磨島、捨子古丹島、雷公計島、松輪島、羅処和島、宇志知島、計吐夷島といった島々、およびそれらに付随する島嶼からなっています。これらの島々の中で、人が住んでいるのは幌筵島のみです。管区の総面積は1,856.1平方キロメートルです。

人口

2021年時点での人口は2,691人で、この全てがセベロクリリスクに住んでいます。これは、管区内の他の地域には定住者がいないことを示しています。

行政区分

北クリル管区は、以下の2つの市町村で構成されています。

セベロクリリスク（Северо-Курильск）： 「北千島の町」という意味を持つこの町は、日本名では柏原と呼ばれていました。2020年の人口は2,374人です。管区の中心であり、事実上唯一の居住地域となっています。
バイコーヴァ（Байково）： 占守島にあるこの村は、日本名では片岡と呼ばれていました。しかし、現在は定住者がいません。

このように、北クリル管区ではセベロクリリスクが唯一の主要な居住地であり、管区の行政、経済、文化の中心となっています。

アクセス

北クリル管区は、ロシア国内でもアクセスが非常に困難な秘境地域として知られています。千島列島の島々を訪れるには、通常、カムチャツカ半島のペトロパブロフスク・カムチャツキーから空路で占守島へ渡り、そこから艀やヘリコプターに乗り換える必要があります。また、コルサコフ港からの船便も利用可能です。

このようなアクセス手段の難しさから、北クリル管区は手つかずの自然が多く残る地域であり、冒険心旺盛な旅行者や研究者にとって魅力的な場所となっています。

北クリル管区は、その地理的な位置と、人の手が加わっていない自然環境が特徴的な地域です。セベロクリリスクを中心とした限られた人口が暮らすこの地域は、独自の文化を形成しながら、ロシア連邦の一員として歴史を刻んでいます。

もう一度検索