セベロムイスキートンネル

セベロムイスキートンネルは、ロシア連邦ブリヤート共和国北西部に位置するバイカル・アムール鉄道（バム鉄道）の重要な一部を担うトンネルです。トンネルの名称は、その所在地であるセベロムイスキー山脈に由来しています。このトンネルは、地下鉄などを除くロシアの鉄道トンネルとしては最長であり、全長15,343メートルに及びます。

概要

セベロムイスキートンネルは、単線の電化鉄道トンネルとして建設されました。工事にはシールド工法が採用されたと考えられています。1977年に工事が開始され、掘削作業が完了したのは2001年3月です。その後、レールが敷設され、同年10月には最初の試運転列車が走行しました。電化、排水、通信などの工事を経て、2003年9月30日に完工し、同年12月5日に供用が開始されました。一番列車は、ナホトカ発サンクトペテルブルク行きのコンテナ列車でした。

トンネルの建設には、着工から開通まで実に26年もの歳月を要しました。この長期化の背景には、トンネルが位置する地域の地震活動の活発さや厳しい気象条件に加え、ソビエト連邦崩壊に伴う経済の停滞による工事資金の不足がありました。トンネルの完成は、バム鉄道建設プロジェクト全体の完了を意味しました。

トンネル開通前には、この区間には54キロメートルにも及ぶ仮設の迂回路線が敷設されていました。しかし、この迂回路線は雪崩が多発する危険な場所であり、急勾配が続くため、機関車の重連運転を必要としていました。さらに、重量制限や速度制限により、1日の列車通過本数は13～14本に限定され、バム鉄道の輸送能力におけるボトルネックとなっていました。トンネルの開通によって、速度向上と輸送量の増加が実現し、保守作業費用の削減にもつながりました。以前は迂回路線で1時間半を要していた通過時間が、現在は約15分に短縮されています。

工事経過

1977年：工事開始
2001年3月：掘削完了
2001年10月：レール締結、試運転列車初走行
2003年9月：完工
* 2003年12月5日：開通

このトンネルの完成は、バム鉄道全体の輸送効率を大幅に向上させ、ロシアの物流に貢献しています。また、建設における技術的課題の克服は、後の鉄道インフラ整備に貴重な教訓をもたらしました。

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