セリー・オーク・ポンプ場

セリー・オーク・ポンプ場

セリー・オーク・ポンプ場（Selly Oak Pumping Station）は、イングランド中部のバーミンガム市に位置し、1878年から1920年までの間、重要な給水施設として知られていました。このポンプ場は、バーミンガム事業団水道局によって建設され、効率的な水供給を目的として設計されました。

歴史的背景と設計

このポンプ場の歴史は1878年に始まります。建物の下には井戸があり、ここから家庭用の水を汲み上げるために、ボールトン・アンド・ワット社製の蒸気機関が導入されました。蒸気機関の使用は、当時の技術の進歩を反映しており、効率的な水の供給を可能にしました。

さらに、建物の設計はマーティン・アンド・チェンバレンによって手掛けられ、その外観はフランスのゴシック建築から影響を受けています。特に、ファサードのデザインは印象的で、上部にブラインド・アーケードを備え、階段状に配置されたタレットや高窓を大切にしています。これらの要素が相まって、まるで王族の礼拝堂のような美しさを醸し出しています。

用途の変遷

セリー・オーク・ポンプ場は、1904年にエラン用水路が開通すると、その機能が変わりました。新しい水供給線が整備されたことにより、ポンプ場は不要となりましたが、設備は1920年までそのまま保持されました。予備施設としての役割も果たしつつ、バーミンガム市の水供給システムの歴史における一部分を担っていたのです。

1920年以降、この建物は変電所として利用されるようになりました。これにより、セリー・オーク・ポンプ場は新たな機能を担いながら、地域のエネルギー供給にも貢献しました。時が経つにつれ、元の役割は終わりを迎えたものの、建物自体は非常に価値のある歴史的資産としての地位を保ち続けています。

現在の評価

1982年7月8日、セリー・オーク・ポンプ場はグレード2の指定建造物として登録され、その歴史的価値が公式に認められました。この指定によって、ポンプ場の保護と保存が図られ、地域の文化的遺産としての重要性が再確認されました。現在でも多くの人々がこの美しい建物を訪れ、その歴史に思いを馳せています。

結論

セリー・オーク・ポンプ場は、バーミンガムの歴史にとって欠かせない存在であり、その美しいゴシック建築は訪れる人々を魅了します。1878年から1920年までの間、地域の水供給を支えたこの施設は、歴史の中で果たした役割とともに、今なおその姿を保ち続けています。

もう一度検索