高窓

高窓（たかまど）とは

高窓は、壁の上部に設けられる窓のことで、特に天井付近に位置するものを指します。主に光を取り入れたり、換気を確保したりする目的がありますが、防犯性を高める効果もあります。また、高窓は地窓などとの組み合わせで効果的な換気が可能になるため、さまざまな建築デザインに利用されています。

歴史的背景

古代世界における起源

高窓はその起源を古代エジプトの寺院に遡ることができます。アマルナ時代には既に高窓が取り入れられていました。さらに、クレタ島に存在したミノア文明のクノッソス宮殿でも、高窓が光の取り入れを促す形で使用されていました。また、聖書にもソロモン王による寺院に高窓が設けられたとの記述が見られます。古代ギリシャの建築でもこの形式は見られ、古代ローマ人は高窓をバシリカや浴場、宮殿の建築に応用しました。

初期キリスト教建築とその展開

初期キリスト教の教会堂は、ローマ時代のバシリカ建築様式を受け継いでいます。特にイタリアでは、身廊の両側に存在する側廊の上部に高窓が設置され、教会の形をラテン十字のようにする手法が見られます。

ロマネスクからゴチック時代

ロマネスク建築では、ローマ時代のスタイルが進化し、最古の残る教会としてはドイツのアウグスブルグ大聖堂があります。ゴチック時代になると、高窓はさらに大きく、高い位置に設けられ、フランスのアミアンのノートルダム大聖堂やイギリスのウェストミンスター寺院などでその影響が確認できます。

現代における高窓の利用

近代では、高窓はプライバシーを保ちながら光と風の流通を目的とした工場の壁面に設置されています。特に、省エネルギーを意識した住宅の設計においても重要な役割を果たしています。また、日本の伝統的な建築においては、欄間に類似した機能を持つ高窓も存在します。

交通車両における高窓の使用

高窓は交通車両にも用いられています。アメリカのプルマン社が製造した旅客車両に使われた高窓は、イギリスの鉄道にも影響を与えました。例えば、1874年に試運転が行われたミッドランド鉄道の車両が該当します。ロンドン地下鉄ではQ型車両に高窓が設けられ、最終運航は1971年でした。また、二階建てバスやフォルクスワーゲン社のタイプ2ミニバスも高窓を活用しており、特にサンバモデルは23の高窓を備えており、コレクターからの人気があります。

結論

高窓はその歴史的背景を持ちながら、近代の建築や交通車両においても非常に重要な役割を果たしています。採光や換気の効率を高めるだけでなく、デザイン的にも空間を魅力的に演出する要素となっています。

もう一度検索