セルマ・バイラミ

セルマ・バイラミ：ボスニアが生んだポップ・フォークの歌姫

セルマ・バイラミ（Selma Bajrami）は、1980年7月4日にユーゴスラビア社会主義連邦共和国（現ボスニア・ヘルツェゴビナ）のトゥズラで生まれた、ボシュニャク人のポップ・フォーク歌手です。彼女は、その魅力的な歌声と個性的なスタイルで、バルカン半島を中心に幅広いファンを獲得しています。

生い立ちと初期のキャリア

セルマの父親はコソボ出身のアルバニア人で、1965年からボスニア・ヘルツェゴビナに居住していました。母親はトゥズラ出身のボシュニャク人でした。彼女の音楽キャリアは、セルビアのベオグラードで制作された最初のアルバム『Kad suza ne bude』から始まりました。このアルバムは、ミリッチ・ヴカシノシッチ（Milić Vukašinović）によってプロデュースされました。その後、2枚目のアルバム『Ljubav si ubio gade』をリリース。「Život liječi rane」や「Pijanica」などのヒット曲が収録され、ミチャ・ニコリッチ（Mića Nikolić）がプロデュースを担当しました。

音楽性の変化と成功

2001年に3枚目のアルバム『Revolucija』をリリースした後、セルマは一時的に音楽シーンから離れます。しかし、2003年にリリースされた4枚目のアルバム『Žena sa Balkana』で劇的な変化を遂げ、カムバックを果たしました。デヤン・アバディッチ（Dejan Abadić）をプロデューサーに迎え、これまでとは異なる音楽スタイルに挑戦しました。このアルバムからは、「Nano」、「Škorpija」、「Žena sirena」、「Bićeš moj」など数多くのヒット曲が生まれ、セルマの名前は一躍有名になりました。特に「Žena sirena」は、彼女の新しいニックネームとなり、セルマ自身もこのニックネームを誇りに思っています。

さらなる飛躍

2005年には、5枚目のアルバム『Kakvo tijelo Selma ima』をリリース。ドラガン・ブラヨヴィッチ（Dragan Brajović Braja）、ドラギシャ・バシャ（Dragiša Baša）、ナニン（Nanin）らが制作に参加し、「Ljubavi jedina」はセルマ自身が作詞を手掛けました。このアルバムもデヤン・アバディッチがプロデュースを担当し、前作に続き高い評価を得ました。2007年には、6枚目のアルバム『Ostrvo tuge』をリリース。「Promijeni se」、「Lijepe žene」、「Ostrvo tuge」などのヒット曲が生まれました。

アルバム一覧

Kad suza ne bude
Ljubav si ubio gade（1998年）
Revolucija（2001年）
Žena sa Balkana（2003年）
Kakvo tijelo Selma ima（2005年）
Ostrvo tuge（2007年）

セルマ・バイラミは、その才能と努力によって、ボスニア・ヘルツェゴビナを代表する歌手としての地位を確立しました。彼女の音楽は、多くの人々に感動と喜びを与え続けています。

外部リンク

* 公式サイト （ボスニア語）

もう一度検索