セレウコス2世

セレウコス2世カリニコス

セレウコス2世カリニコス（紀元前265年? - 紀元前225年）は、セレウコス朝シリアの王で、在位期間は紀元前246年から紀元前225年までの約21年間でした。彼は、前王であるアンティオコス2世と王妃ラオディケ1世の息子として生まれました。セレウコス2世の治世は、父の政策や周囲の戦況に大きく影響を受けることになります。

父の死と即位

セレウコス2世が王位に就くきっかけは、母ラオディケ1世の復讐劇でした。父のアンティオコス2世は、エジプトのプトレマイオス朝からベレニケを王妃に迎え入れたため、ラオディケ1世は自らの地位を取り戻すべく陰謀を巡らしました。紀元前246年、彼女はベレニケを暗殺し、夫のアンティオコスも毒殺。こうして、セレウコス2世は祖国の王として即位しました。

シリア戦争と国の衰退

しかし、即位した彼に待ち受けるのは、エジプトの復讐劇でした。ベレニケの兄プトレマイオス3世は、セレウコス朝に対する復讐心から第三次シリア戦争（紀元前246年 - 紀元前241年）を引き起こしました。この戦争はエジプトの圧勝に終わり、セレウコス朝シリアは著しく弱体化しました。

さらには、内部分裂もシリアの国力を削る要因となりました。弟のアンティオコス・ヒエラクスは、アナトリア地域で独立を宣言し、シリアの統治権を巡ってセレウコスに対抗しました。ヒエラクスはガラテア人と同盟を結び、セレウコスにとって脅威となりましたが、最終的にはペルガモン王国のアッタロス1世からの支援を受けてこれを撃退しました。しかし、アッタロスの力が強まることで、シリアの安定には繋がらず、国はさらに混乱していきました。

死後の王位継承

セレウコス2世は紀元前225年に亡くなりました。その後、彼の息子セレウコス3世とアンティオコス3世が王位を継承しました。特にアンティオコス3世は、王国の再建に成功し、一時的に国を安定させることとなりました。

家族

セレウコス2世は母方の叔母であるラオディケ2世と結婚し、3人の子供を授かりました。彼らは以下の通りです。

• - セレウコス3世（後のシリア王）
• - アンティオコス3世（後のシリア王）
• - アンティオキス（コンマゲネ王クセルクセスと結婚）

セレウコス2世カリニコスの治世は、戦争や内乱によって苦しい道のりとなりましたが、その後の王たちに大きな影響を及ぼした重要な時代でもありました。

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