紀元前246年

紀元前246年は、ローマ暦における年で、当時のローマではマニウス・オタキリウス・クラッススとマルクス・ファビウス・リキヌスが執政官に就任した年として知られていました。また、ローマ建国紀元508年ともされています。中世初期以降、西暦が広く普及するにつれて、この年は紀元前246年と表記されるようになりました。

各地の紀年法

この年は、他の紀年法では以下のように表されます。

干支：乙卯
日本：皇紀415年、孝霊天皇45年
中国：秦 - 始皇元年、楚 - 考烈王17年、斉 - 斉王建19年、燕 - 燕王喜9年、趙 - 孝成王20年、魏 - 安釐王31年、韓 - 桓恵王27年
仏滅紀元：301年

主な出来事

エジプト

エジプトでは、プトレマイオス2世が亡くなり、息子のプトレマイオス3世が王位を継承しました。プトレマイオス2世の治世下、エジプト王国はナイル川流域からキュレネ、ユダヤ、シリア南部、キプロス、エーゲ海の島々にまで及ぶ広大な領土を誇っていました。プトレマイオス朝は、マケドニア人とギリシア人からなる傭兵部隊によって領土を維持していました。

インド

インドでは、アショーカ王の柱が建設されました。

セレウコス朝

セレウコス朝では、アンティオコス2世が前妻ラオディケ1世と息子のセレウコス2世と復縁するため、ベレニケの元を離れました。しかし、ラオディケ1世はアンティオコス2世を毒殺し、息子が王位を継承したと宣言。アンティオキアの支持者たちはベレニケを殺害し、ベレニケの子どもたちはダフネへと逃れました。

ベレニケの兄弟であるプトレマイオス3世は、復讐のためシリアに侵攻し、第三次シリア戦争が勃発。プトレマイオス3世の艦隊はダーダネルス海峡を越えてトラキアまで制海権を確立し、アナトリアの湾の島々を占領しました。プトレマイオス3世はシリアとアナトリアでセレウコス2世の軍を破りアンティオキアを占領しましたが、アンドロスの戦いでアンティゴノス2世に敗れ、キクラデス諸島を失いました。

セレウコス2世の母ラオディケ1世は、セレウコス2世の弟アンティオコス・ヒエラクスを共同摂政とし、アナトリア全土を与えセレウコス朝の支配を立て直そうとしました。しかしアンティオコス・ヒエラクスは独立を宣言し、兄と戦いを始めました。セレウコス2世は、バクトリア王ディオドトス1世の信頼を得るため、妹をディオドトス1世の妻にしました。

共和政ローマ

シチリア島でハミルカル・バルカに敗北したローマ軍は、制海権を取り戻すため新たな部隊を編成しました。ローマでは、プラエトルの数が1人から2人に増員されました。2人目のプラエトルは、司法の残務整理や執政官不在の際に軍隊を指揮する権限を持つ治安判事として活動しました。

中国

中国では、魏の信陵君が亡命先の趙から帰還。合従軍を組織し、秦を函谷関まで追い詰めました。秦の晋陽では反乱が発生しましたが、蒙驁によって鎮圧されました。また、韓の水利専門家である鄭国が秦で鄭国渠の建設を開始しました。約10年後に完成したこの灌漑用運河は、関中の農業生産性を飛躍的に向上させました。

誕生

アルシノエ3世：プトレマイオス3世とベレニケ2世の娘で、エジプト女王（紀元前204年没）

死去

プトレマイオス2世：エジプト王（紀元前308年生）
アンティオコス2世：セレウコス朝の王（紀元前287年生）
ベレニケ：プトレマイオス2世とアルシノエ1世の娘で、アンティオコス2世の妻

関連項目

年の一覧
年表
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