センダングサ属

センダングサ属（Bidens）

センダングサ属は、キク科に属する植物のグループで、学名をBidensと言います。日本においては、道端や空き地などでごく普通に見られる雑草として知られています。この植物の最大の特徴は、種子（実際には果実である痩果）が衣服などに付着する「ひっつき虫」であることです。

特徴

センダングサ属の植物は、一年草で、茎は四角形に近い形状をしており、節があります。葉は対生し、深く裂けて複葉となるものが多いです。種子は硬く、棒状をしており、先端には数本の刺状の突起があります。この突起には逆向きの刺があり、これが衣服などに引っかかる原因となります。

花は筒状で、中心部には黄色い管状花が密集しています。外側には舌状花がない場合もありますが、種類によっては存在する場合があります。花が枯れて脱落した後には、棒状の果実が筒状に束になって残ります。果実が熟すと、花床が反り返り、果実が放射状に広がります。この時、果実の先端の刺が何かに引っかかると、簡単に根元から外れて、付着した物体と共に運ばれていきます。

分布

センダングサ属は、世界中の熱帯および温帯地域に広く分布しており、特にアメリカ、アフリカ、ポリネシアに多くの種が見られます。ヨーロッパやアジアにも分布している種があります。ハルシャギク属（Coreopsis）と近縁であり、分類が難しい場合もあります。また、これらの属は単系統群ではないとされています。

種類

日本には、棒状の果実を作るものと、偏平な果実を作るものがあります。以下に主な種類を挙げます。

棒状の果実を作るもの

センダングサ (Bidens biternata)：羽状複葉を持ち、黄色の舌状花があります。
コバノセンダングサ (Bidens bipinnata)：センダングサに似ていますが、小葉が小さいのが特徴です。
コセンダングサ (Bidens pilosa)：非常に変異が多く、以下の変種があります。
コセンダングサ (Bidens pilosa var. pilosa)：基本変種で、舌状花がありません。
コシロノセンダングサ (Bidens pilosa var. minor)：小さな白い舌状花があります。
シロノセンダングサ (Bidens pilosa var. radiata)：大きな白い舌状花を持ち、観賞用に栽培されることもあります。
アワユキセンダングサ (Bidens pilosa var. bisetosa)：非常に大きな花をつけ、日本では沖縄に帰化しています。

偏平な果実を作るもの

アメリカセンダングサ (Bidens frondosa)：近世に日本に侵入した外来種で、全体に赤みを帯びています。花の外側の総苞が放射状に広がります。
タウコギ (Bidens tripartita)：湿地に生え、アメリカセンダングサに似ていますが、全体的に寸が詰まった姿をしています。

その他、観賞用の花として知られるウインターコスモス（Bidens ferulifolia）やキクザキセンダングサ（Bidens laevis）もセンダングサ属に分類されます。

脚注

参考文献
北川尚史監修、伊藤ふくお写真、丸山健一郎文 『ひっつきむしの図鑑』 トンボ出版、2003年、ISBN 4-88716-147-6。

関連項目

ひっつき虫

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