センチメートル波

センチメートル波 (SHF)

センチメートル波は、波長が1センチメートルから10センチメートル、周波数が3GHzから30GHzの範囲に位置する電波を指します。この波は英語で「Super High Frequency」と呼ばれ、略称はSHFです。センチメートル波は、極超[[短波]]（UHF）などとともにマイクロ波に分類されます。これらの波は、通信やデータ伝送など多様な用途に利用されています。

特徴

この波の大きな特徴は、他の波に比べて波長が短いために、直進性が強く、エネルギーを集中させるのが容易である点です。そのため、アンテナもコンパクトに設計できる利点があります。しかし、センチメートル波はほとんど回折しないため、建物や他の障害物の背後に回り込むことが難しく、電波の到達範囲が制限されることがあります。

また、ミリ波と比較して、雨や霧の影響が少ないため、安定した通信が期待できる状況が多いです。しかし、送信機から受信機への伝送においては、電線が適していないため、大電力の伝送では導波管を使うケースが一般的です。

利用用途

センチメートル波は多様な用途に利用されています。例えば、衛星放送にはBSやCS、人とコンピュータが近距離で通信するための無線LAN、Wireless USB、ETC（電子料金収受システム）などがあります。さらに、レーダー技術やアマチュア無線もこの波を利用しています。

地上波テレビジョン放送も一部ではセンチメートル波の周波数を利用しているものの、2019年現在において地上デジタル放送での実施例は存在しません。また、移動体通信においても、特に5Gではセンチメートル波が使用されることがあります。

日本では、特定の周波数が地上波テレビジョン放送に割り当てられており、12.092GHzから12.2GHzの間（チャンネル63から80ch）が利用されています。これは高層建築物や航空機による受信障害を対策するために1977年から使われ、1990年からは特に受信障害対策中継放送として運用されていましたが、2011年のデジタル化に伴い、その多くが廃止されました。

アマチュア無線

アマチュア無線に関しては、国際電気通信連合（ITU）の規則に基づき、さまざまな周波数帯が分配されています。それらの周波数帯は国によって異なるため、各国での割り当て状況は一概には言えません。アマチュア無線の利用者にとっては、これらの周波数帯が非常に重要です。

センチメートル波は、その特性を活かして様々な通信手段の基盤となっており、現代の通信技術において欠かせない存在となっています。

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