セントジョン (ニューブランズウィック州)

セント・ジョンの概要

セント・ジョン（英: Saint John、仏: Saint-Jean）は、カナダ東部のニューブランズウィック州にある重要な都市で、ファンディ湾の北岸に位置し、セント・ジョン川の河口近くに広がっています。人口は67,575人（2016年国勢調査）で、都市圏における人口は126,202人に達し、州内ではモンクトンに次いで2番目の規模を誇ります。

歴史

この地に最初に住んでいたのはパサマクォディ族やマリシート族で、1604年にはフランス人のサミュエル・ド・シャンプランがこの地域を探検し、セント・ジョン川を「Fleuve Saint-Jean」と名付けました。この命名は、洗礼者ヨハネの生誕日と関連しています。1631年にはフランスのアカディアの総督シャルル・ド・サン＝テティエンヌ・ド・ラ・トゥールが要塞を築き、戦略的にも重要な地として知られるようになりました。英国軍は1755年にフランス植民地を追放し、町の防衛のためにハウ砦を構築しました。その後、アメリカ独立戦争の影響も受けて、この町は急速に発展しました。

経済

セント・ジョンはカナダの東海岸におけるビジネスの中心地となっており、多くの企業が集まっています。特に、20世紀にはK.C.アービングという事業家によって石油、林業、造船、メディア、運輸業などが発展しました。現在もこの地域には北米初の大水深石油採掘所やパルプ工場、製紙工場が存在し、経済活動に大きく寄与しています。また、1980年代にはカナダ最大の造船業が栄え、カナダ海軍のフリゲート艦が製造されていました。今日では、セント・ジョン港やニューブランズウィック電力会社、アライアント・テレコム、アトランティック健康科学社などが重要な役割を果たしています。

地理

セント・ジョンは、ファンディ湾に流れ込むセントジョン川の両岸に広がっており、自然環境にも恵まれています。

人口

2016年の国勢調査によると、セント・ジョンの市域人口は67,575人、都市圏人口は126,202人です。1971年には89,039人を記録したが、その後は減少傾向が続き、モンクトンに人口で抜かれ、州内最大の都市の座を失いました。近年は人口増加が見られないものの、地域の特性を活かした都市計画が進行しています。

言語

市民の母語としては、英語が90.3%を占め、フランス語はわずか5.2%であり、主に英語圏が広がっています。バイリンガルの割合も州内では低く、フランス語を公用語とする地域でありながら、英語が主流となっています。

気候

セント・ジョンの気候は湿潤大陸性気候（Dfb）に分類され、寒冷な冬が特徴です。一方で、海に近いため、内陸と比較すると寒さは緩和されます。1月の平均気温は-7.9℃、7月は17.1℃で、年間の降雪量は239.6cmに達します。

交通

セントジョンには空港があり、州内で2番目に大きい空港として知られています。かつては鉄道も重要な交通手段でしたが、現在は貨物輸送が中心となっています。市内ではセントジョントランジットがバスサービスを提供し、沿海バスが都市間の移動手段として機能しています。

教育

セント・ジョンにはニューブランズウィック大学があり、高等教育の場として学生に広く利用されています。

文化人

多くの著名人がこの地にゆかりを持ち、俳優のドナルド・サザーランドや、映画監督のセシル・B・デミルなどがセント・ジョン出身です。

メディア

市内にはCBCやRadio-Canadaなどのテレビ局があり、新聞も「ザ・テレグラフ・ジャーナル」や「ル・サンジャノワ」が発行されています。

姉妹都市

セント・ジョンはアメリカのニューポートと姉妹都市関係にあります。

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