セーラー服と機関銃 (曲)

セーラー服と機関銃

「セーラー服と機関銃」（セーラーふくときかんじゅう）は、来生えつこが作詞、来生たかおが作曲した楽曲です。この曲は、薬師丸ひろ子によるデビューシングルであり、同名の映画の主題歌としても知られています。興味深いことに、この曲には「夢の途中」（ゆめのとちゅう）という別名があり、同様のメロディで異なる歌詞が特徴です。

このシングルは1981年11月21日にキティ・レコードからリリースされた（レコード番号：7DK7020）。そのわずか前の11月10日には、来生たかおの11枚目のシングルである「夢の途中」が同じレコード会社から発売されています（レコード番号：7DK7019）。

経緯

映画『セーラー服と機関銃』の主題歌には、最初、来生たかおが歌う「夢の途中」が決定していました。そのため、レコーディングまで進んでいましたが、映画監督の相米慎二が、薬師丸に歌わせることを思いついたことで、事態は一変しました。来生たかおは楽曲を提供することになり、歌手としてのポジションを失ったのです。この変化に対して、来生の姉である作詞者の来生えつこは強く反発し、キティ・レコードからの移籍を考えるほどでした。しかし、レコード社の多賀英典が「両方ともヒットする」との約束を交わし、彼女を説得しました。

薬師丸のレコーディングも、少し独特でした。助監督たちが集まって宴会を始めたため、彼女は余計な緊張を感じずに済んだといいます。また、映画の試写会の際、薬師丸の事務所の社長は彼女が主題歌を歌っているのを知らなかったのです。この試写後、唯一のリクエストが曲名を「夢の途中」から「セーラー服と機関銃」に変えることでした。印象的なのは、薬師丸が「高校時代の思い出としてレコードを1枚作りたかった」と語り、歌手活動を一度限りのものと考えていた点です。

最終的に、来生の「夢の途中」と薬師丸の「セーラー服と機関銃」はほぼ同時にリリースされ、両者ともに人気を博しました。それぞれの累計販売数は200万枚に達し、オリコン集計によると約120万枚となります。このリスクを冒して同時にリリースしたキティ・レコードですが、結果として成功を収めたことは、薬師丸の人気が大きかったと来生は振り返っています。

シングルとその影響

「夢の途中 -セーラー服と機関銃」は、来生たかおの11枚目のシングルとして1981年11月10日にリリースされ、その後12月にアルバム『夢の途中』も発売。こちらは、来生自身が用意した3曲の中で自信がなかったにもかかわらず選ばれた曲でもあります。来生は、薬師丸の予約枚数を聞いて不安を抱えましたが、両者ともにオリコンベストテン入りしたことで救われたと語っています。

薬師丸の「セーラー服と機関銃」は、主題歌としての役割を果たし、オリコンチャートで22週にわたりランクインし、最高位は1位を記録。最終的に86.5万枚の売上を記録し、公称のシングル売上は約120万枚に達しました。来生も薬師丸の実力を高く評価し、彼女の歌声にはしっかりとした音程があると感心したと述べています。

音楽と登録

「セーラー服と機関銃」と「夢の途中」のメロディは同じだが、歌詞には若干の違いがあります。この特異な状況は非常に珍しく、同時にヒットした異名同曲として注目を集める要因となりました。この曲は長年多くのアーティストにカバーされ、アニメや映画などでも多数使用され続けています。

音楽評論家からの評価は高く、薬師丸の独自の歌唱スタイルは、アイドルの中でも特異な存在感を放っていました。彼女はシンプルでクリアな音声を通じて、清楚なイメージを構築し、多くのファンを魅了しました。アレンジも非常に印象的で、シンプルなアルペジオを取り入れたことで、耳に残るメロディとして親しまれています。

まとめ

「セーラー服と機関銃」は日本の音楽シーンにおいて、そのトレンドを一変させる重要な楽曲になりました。本作が薬師丸ひろ子の美しい歌声と相まって、大ヒットを記録したのは偶然ではなく、その背景には多くのドラマと才能が集結していることを忘れてはいけません。

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