ゼベダイの子

ゼベダイの子ら

ゼベダイの子らとは、新約聖書に登場するイエスの使徒である兄弟、ヤコブ（大ヤコブ）とヨハネのことを指します。彼らは共観福音書によると、ガリラヤ地方で父ゼベダイと共に漁師をしていました。イエスが宣教を開始した頃、同じく漁師であったシモン（ペトロ）とアンデレ兄弟に続いて、イエスの弟子となりました。

聖書における記述

『マルコによる福音書』では、イエスによって彼らは「ボアネルゲス」（雷の子）という名を与えられています。これは彼らの情熱的で時に激しい性格を表していると考えられます。『ルカによる福音書』には、彼らがサマリアの町の人々がイエス一行を歓迎しなかった際に、天から火を降らせて町を焼き払うことを提案したというエピソードが記されています。このエピソードは彼らの短気な一面を示していると言えるでしょう。

一方、『ヨハネによる福音書』では、ヤコブとヨハネという個別の名前は登場せず、復活したイエスがティベリアス湖で七人の弟子に現れる場面で、「ゼベダイの子たち」としてまとめて言及されています。

ゼベダイの子らの母

ゼベダイの子らの母は、『マタイによる福音書』にのみ2箇所登場します。最初は、自分の息子たち、ヤコブとヨハネをイエスの右と左の座に就けるように願う場面です。この場面は、彼女の息子たちへの強い愛情と、彼らの将来に対する期待を示しています。しかし、『マルコによる福音書』では、この場面において彼らの母親は登場しません。

もう1つの登場場面は、マグダラのマリアらと共にイエスの磔刑を見守る場面です。この場面では、彼女がイエスの受難を目の当たりにする様子が描かれています。

まとめ

ゼベダイの子ら、ヤコブとヨハネは、イエスの初期の弟子であり、その生涯において重要な役割を果たしました。彼らは情熱的で時に短気な性格でありながらも、イエスに忠実に仕えました。彼らの母についても、イエスの昇天まで、重要な場面で登場し、息子たちを支える役割を担っていました。福音書によって記述の違いはあるものの、彼らがイエスの弟子として重要な位置にいたことがわかります。

彼らの物語は、信仰の道における人間の複雑さ、そして神の恩恵に対する多様な反応を示すものとして、今日にも多くの人々に語り継がれています。

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