ゼンダ城の虜 (宝塚歌劇)

『ゼンダ城の虜』

『ゼンダ城の虜』は、宝塚歌劇団の月組公演で上演されたミュージカルです。この作品は、ロマンスをテーマにした全24場から構成されています。

脚本と演出を手がけたのは、木村信司氏。さらに、併演される『Jazz Mania -ジャズ・マニア-』と共に、多くの観客を魅了しました。なお、この公演は2000年9月29日から11月6日まで、宝塚大劇場で行われましたが、東京では公演されませんでした。新たな才能が育つ新人公演もあり、こちらは10月17日に実施されました。

物語の背景と展開

本作は、アンソニー・ホープの小説を原作としています。物語は19世紀のヨーロッパ、架空の小国・ルリタニア王国を舞台に展開します。この国では新王ルドルフの戴冠式が行われていましたが、実はその王ルドルフは、彼と瓜二つの替え玉であることが明かされます。物語は、政権争いに翻弄される本物の王を救うため、主人公が奔走する様子を描いています。

物語の中で、王の婚約者であるフラビア姫は、本物と替え玉という二人のルドルフに心を揺らされます。彼女の心情は複雑であり、以前の愛情とは異なる新たな感情が芽生え、二人の愛が交錯するさまが巧みに描かれています。ルドルフもまた、フラビア姫を強く愛しながらも、その結びつきが叶うことはないと知り、切ない恋情を抱えています。

公演スタッフ

本公演の音楽では、作曲・編曲に甲斐正人氏が起用され、音楽指揮には岡田良機氏が担当しました。振付は竹邑類氏と三浦亨氏が手がけており、ファイティング・コーディネーターとして渥美博氏が参加しています。

舞台美術には、齋藤浩樹氏が装置を、衣装に有村淳氏が関わり、照明に勝柴次朗氏が起用されています。音響は加門清邦氏、歌唱指導は岡崎亮子氏が担当し、小道具や効果の担当者も揃い、全体として高いクオリティの公演が実現しました。

主な配役

本作には多くのキャストが登場し、特に真琴つばささんがルドルフ・ラッセンディル役、檀れいさんがフラビア姫役を演じ、感情豊かな演技が話題となりました。また、香寿たつきさんのヘンツォ伯爵や、初風緑さんのフリッツなど、各キャラクターが物語を盛り上げ、観客を引き込む要素となっています。

特別出演者として未沙のえる氏や初風緑氏などが名を連ね、舞台に華を添えました。

『ゼンダ城の虜』は、王族のドラマと深いロマンが交錯する作品であり、宝塚歌劇団の伝統と魅力が凝縮された素晴らしいミュージカルです。観客は、登場人物の感情に共鳴しながら、物語の世界に引き込まれていくことでしょう。

もう一度検索