ソウルー

ソウルー - パガン王朝の第二代国王

ソウルー（ビルマ語: စောလူး、1049年4月19日 - 1084年4月）は、パガン王朝の第2代国王であり、1077年から1084年まで在位しました。彼は初代国王アノーヤターの息子であり、「神聖な金剛杵の持ち主である三界の所有者」という称号でも知られています。ソウルーの治世においては、モン族との関係および内部の権力闘争が激しさを増しました。

生涯の概要

ソウルーはその治世の初期から、乳兄弟のモン族出身のヤマンカンに特に寵愛を寄せていました。しかし、アノーヤターに仕えていた有力者チャンシッターとモン族の王女キン・ウが恋愛関係にあった際、二人は密かに結びつき、一時的にパガンから追放されることになります。その後、ソウルーはチャンシッターを呼び戻し、キン・ウを妻に迎えます。ところが、チャンシッターがキン・ウとの関係を復活させると、ソウルーは彼を再びパガンから遠ざけるため、ヤンゴンの近くにあるダラへと追放しました。

1084年、モン族による反乱が起こり、ソウルーはその混乱の中で命を落としたと考えられています。この反乱を指導していたのは、ヤマンカンであったといわれています。

建築事業と評価

治世中の大きな業績の一つは、シュウェソウルという名のパゴダを建立したことです。このパゴダは、現在のザガイン管区にあたるモンユワと、マグウェ管区のミンブにそれぞれ位置していました。これらの建設事業は、パガン王朝の繁栄とソウルー自身の権力を象徴しています。

反乱の発端と王の運命

ヤマンカンが反乱を起こすと、ソウルーは彼を鎮圧するためにチャンシッターを再び呼び戻し、彼に従軍を命じました。その際、チャンシッターは堅固に守備を固める敵に対し、慎重な攻撃を提案しましたが、ソウルーはその忠告を無視します。結果、ヤマンカンの軍に対して無謀な攻撃を行い、大敗を喫しました。捕虜となったソウルーは、一度は単身忍び込んだチャンシッターによって救出されますが、彼の迫害を恐れてチャンシッターの元に戻ることを拒み、敵陣で助けを求める叫びを上げました。

チャンシッターは彼を敵陣に残し、撤退します。ソウルーはヤマンカンにより処刑されたとされ、彼の最後は権力や忠誠がもたらす悲劇の象徴です。

家族

ソウルーの妃はキン・ウであり、彼との間にはソウユンという子が誕生しました。ソウユンは、後にパガン王国の第4代国王アラウンシードゥーの父となります。

参考文献

• - G.E.ハーヴェイ『ビルマ史』（東亜研究所訳, ユーラシア叢書, 原書房, 1976年）
• - 大野徹『謎の仏教王国パガン』（NHKブックス, 日本放送出版協会, 2002年11月）

もう一度検索