ソッピース パップ

ソッピース・パップ（Sopwith Pup）

ソッピース・パップは、第一次世界大戦で活躍したイギリスの単座複葉戦闘機で、その愛称はパイロットたちによって名付けられました。元々はソッピース・スカウトという正式名称でしたが、その愛らしさから「パップ」という名が定着しました。この機体は、飛行機の命名において後のソッピース機にも影響を与え、哺乳類や鳥類の名が使われる先駆けとなりました。パップは特に航空母艦からの離着陸試験に最適な特性を持っていました。

設計と開発

ソッピース・パップの設計は、ソッピース社のテストパイロットであるハリー・ホーカーの個人用飛行機を基にして進められました。元となった機体は1915年に設計されたソッピース SL TBPで、当初はグノーム50馬力ロータリーエンジンを搭載しています。1916年初めには、この機体を基にした戦闘機の開発が行われ、最終的にパップが完成しました。

パップは単座の複葉機として設計され、軽量の木製フレームに布張りの胴体を持ち、上下の翼は同幅で作られていました。主要な装備として7.7 mmのビッカース機銃を1挺搭載し、これにより強力な武装を実現しました。生産数はおよそ1,770機に達し、複数の工場が製造に関与しました。

運用歴

この機体はイギリス陸軍航空隊（RFC）や海軍航空隊（RNAS）での運用が開始され、最初の配備は1916年5月に行われました。特に海軍第8飛行隊への配備により、西部戦線で20機の敵機を撃墜する成果を上げました。パップはその軽量さや高い機動性から、ドイツの複葉機に対して明らかな優位性を証明しました。

特徴と性能

パップの有利な点は、軽量な機体と広い翼面積による高い上昇率です。空中戦において、パップはドイツのアルバトロスD.IIIと比較しても、旋回性能において明らかに優れていました。反面、縦方向での不安定さという欠点もあり、特にパイロットの適応力が求められました。パップは1917年春には新型のドイツ機に優位を奪われたものの、終戦まで第2線の任務に充てられました。

日本とアメリカでの運用

日本においては、1917年に陸海軍に導入され、特にシベリア出兵や艦上戦闘機としての運用が行われました。また、アメリカ海軍もパップを採用し、艦上戦闘機としての性能が実証されました。このように、パップは多くの国で様々な形で活用され、優秀な戦闘機としての地位を確立しました。

現在の状況

ソッピース・パップは現存する機体やレプリカが存在し、今でも飛行可能な状態のものがあります。特に、1973年に発見されたパップの復元作業が進められており、その飛行が期待されています。

このように、ソッピース・パップは第一次世界大戦の航空機の中でも特に記憶される存在であり、その性能と歴史的意義は今なお人々の記憶に残り続けています。

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