ソニー・ミュージックエンタテインメント (日本)

株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント

株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント（Sony Music Entertainment Japan Inc.、略称：SMEJ）は、日本の音楽産業界における重要なプレイヤーであり、ソニーグループの音楽関連事業を統括する会社です。東京・千代田区に本社を構えており、アメリカのソニー・ミュージックエンタテインメントから独立し、日本市場に特化した展開を行っています。

設立の背景

1968年に設立された当社は、「CBS・ソニーレコード株式会社」としてスタートしました。その後、1991年に商号を現在の「ソニー・ミュージックエンタテインメント」に変更し、2001年には中間持株会社としての形態に発展しました。さらに、2003年には音楽事業のみを承継する法人として再編されました。

グループ内の変革

当初は米CBS社との合弁会社として設立されましたが、1988年にはソニーが米CBS社の全株式を取得し、完全子会社化しました。その後、2004年にはBMGエンターテインメントとの合併により「ソニーBMG・ミュージックエンタテインメント」が発足し、2008年には再び完全子会社化が実現しました。これらの一連の手続きにより、当社は音楽市場におけるさらなる競争力を獲得しました。

デジタル配信への展開

音楽配信事業に関しては、従来一曲あたりの価格が若干高めに設定され、デジタル音源は厳しい著作権管理下にありました。特に、かつてはATRAC形式による配信が主流でしたが、近年ではiTunes Storeやmoraなどでの楽曲提供を開始しました。特に2012年には、DRMフリーの楽曲配信を実現したことで、レコード業界の柔軟な対応が求められています。

アナログレコードの復興

2017年には、自社でのアナログレコード生産を29年ぶりに再開しました。これにより、もともとのファン層だけでなく、若い世代の間でもレコードの人気が再燃していることが伺えます。

グループ全体のビジネス状況

音楽業界全体が厳しい状況にある一方、グループ会社であるアニプレックスが運営するソーシャルゲーム『Fate/Grand Order|Fate_Grand Order』が大ヒットを記録し、売上を大幅に伸ばすなどして大きな収益を上げています。2018年にはグループ全体の売上高の半分をアニプレックスが占めるほどのビジュアルビジネスの重要性が認識され、音楽以外のコンテンツにも力を入れるようになっています。

今後の展望

ソニー・ミュージックエンタテインメントは、アーティスト育成と新たな音楽事業の確立、デジタルコンテンツの充実を図りながら、変化の激しい音楽市場での競争を乗り越えようとしています。これまでの伝統的な音楽事業に加え、ゲームや映像などの分野にも力を入れることで、さらなる成長を目指しています。

音楽とエンタメの多様性を融合させることで、革新的なプロジェクトの創出を目指す当社の取り組みは、これからの音楽業界にも影響を与え続けることでしょう。

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