ソユーズTMA-18M

ソユーズTMA-18Mは、2015年9月2日にバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた有人宇宙船です。このミッションは、国際宇宙ステーション（ISS）へ第45次長期滞在クルーを送り届けることを目的としており、ソユーズ宇宙船としては1967年の初打ち上げ以来127機目にあたります。

搭乗クルー

ソユーズTMA-18Mには、セルゲイ・ヴォルコフ、アンドレアス・モーゲンセン、アイディン・アイムベトフの3名が搭乗しました。アイムベトフはカザフスタン初の宇宙飛行士であり、モーゲンセンはデンマーク初の宇宙飛行士として、それぞれの国の宇宙開発史に新たな一ページを刻みました。

ミッションの経緯

特筆すべきは、アイムベトフとモーゲンセンはソユーズTMA-16Mに搭乗してISSから先に帰還した点です。一方、ソユーズTMA-18Mの帰還時には、ヴォルコフの他に、1年間の長期滞在を終えたミハイル・コルニエンコとスコット・ケリーが搭乗し、2016年3月2日にカザフスタンへ無事着陸しました。この交代劇は、ISSでの長期滞在ミッションにおけるクルーの柔軟な運用を示す一例と言えるでしょう。

宇宙旅行者の搭乗予定と変更

当初、ソユーズTMA-18Mには宇宙旅行者としてイギリスの歌手サラ・ブライトマンが搭乗する予定でした。しかし、彼女は2015年5月に家庭の事情で訓練を中断することを発表し、搭乗は実現しませんでした。また、バックアップクルーとして日本人起業家の高松聡が訓練を受ける予定でしたが、彼もプロジェクトの関係で訓練に参加できず、将来の飛行機会に挑戦することとなりました。さらに、ロシア人実業家のフィラレット・ガルチェフにも打診がありましたが、訓練時間の確保が難しいとして断念しています。最終的に、ロスコスモスはアイディン・アイムベトフを搭乗させることを決定しました。

帰還とその後

ISSに1年間滞在したクルー2名を含む3名を乗せたソユーズTMA-18Mは、2016年3月2日04:26(UTC)に無事地球に帰還しました。

現在、ソユーズTMA-18Mの帰還カプセルは、デンマーク人初の宇宙飛行士であるアンドレアス・モーゲンセンが搭乗したことを記念して、ヘルシンゲルにあるデンマーク科学技術博物館に展示されています。この展示は、宇宙開発の歴史を伝える貴重な資料として、多くの人々に宇宙への興味を喚起し続けています。

ソユーズTMA-18Mは、単なる宇宙輸送ミッションとしてだけでなく、国際協力の象徴、そして宇宙開発における様々なドラマを内包したミッションとして、その名を記憶されることでしょう。

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